三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』 「御免なせえまし」…

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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』

現代語化

「すんませんねえ」
「なんだよ?」
「えーと、お断りします」
「何でだよ?誰なんだお前」
「私はここに住んでいう継の伯父で、文吉っていいます。今日出かけてさっき家に帰ったら、あなたが仇討ちに行ったって言うから、家の男衆連れて駆けつけてきたんですけど、様子がわかんねえ。あたりで聞いてたら、この家だっていうから、悪いんだけど忍んで入らせてもらって、裏で聞いてたら、「人違いだ~」って声が聞こえたから、はてと思って聞いてたんですけど、人違いだって言いつつ、小さいときに別れたあなたのお子さんを、あなたが知らないって言いながら斬ろうとしてんだよ。若いときの罪だからって懺悔してるみたいで、我慢しようと思ったんだけど、つい泣いちゃったよ。とんでもない間違いになっちゃったな。嘉十、もう鎌は捨てちゃえ」
「本当に恥ずかしいです」
「どうにか助けてもらうことはできないでしょうか?」
「もう無理じゃないかって思います。近くに医者もいねえし、私はちょっと傷縫うくらいはできますけど、つい泣いちゃって・・・とりあえず焼酎で傷口を洗わせてもらいます」
「伯父さん、来てくれてよかった」
「大丈夫、今、傷口洗うからな」

原文 (会話文抽出)

「御免なせえまし」
「何だえ」
「へえ/\真平御免を蒙ります」
「何うも恟りする、誰だえ」
「私は此処にいるお繼の実の伯父で百姓文吉と申します、私は今日他処へ行って先刻家へ帰ると、敵討に行ったと云いますから、家の男を連れて駈けて参りましたが様子が知んない、其処らで聞くと此家だと云うから、済まぬようだが窃っと這入って、裏へ廻って様子を聞いて居りますと、人違いだ/\と云う声がするから、はてと思って聞いて居りましたが、間違いとは云いながら、少さい時分に別れたお前様の子、それを貴方が知らないとは云いながらはア斬って殺すと云うは、若い時分の罪だと懺悔する其の心持を考えますと、我慢しようと思いましたがつい泣いたでがんす、何うも飛んだ間違いに成りました、これ嘉十、もう鎌なんざアぶっ放ってしまえ」
「何うもお恥かしい事がお耳に入って面目次第もございません」
「何うか助かり様が有りましょうか」
「迚も助かりますまいとは存じますが、此の辺に生憎療治を致す者もござらぬ、手前少々は傷を縫う事も心得て居りましたが、つい歎きに紛れて……何しろ焼酎で傷口を洗いましょう」
「伯父様宜く来て下すった」
「確かりしろ、今傷口を洗うぞよ」

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