三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』 「山之助さん、今日は余程お加減が宜うござい…

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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』

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「山之助さん、今日は調子がいいみたいですね」
「お継さん、ありがとう。まさかお前にこんなに面倒を見てもらうとは思ってなかったけど、不思議と巡礼同士で出会ったのも、笈摺を背負ったおかげかな。観音様の力ってすごいと思うよ。このご恩は死んでも忘れないよ」
「どういたしまして。これはお互いさまです。お兄さんも西国巡礼だし、私も西国を巡るつもりだから、一人だと心細いけど、一緒にいけばどこに行っても二人で力を合わせて支え合えるでしょ」
「それはありがたいね」
「山之助さん、寒くてしょうがないし、こうやって別々に泊まってると、蒲団代が高くついちゃいます。だから蒲団を返して、下に私たちの着物を敷いて、上に一枚蒲団をかけて一緒に寝ればいいと思うんですけど、どうかしら?」
「えぇ、寝てもいいけど、お前が男ならいいけど女だからね。私としては一緒に寝るのも気が引けます」
「いいじゃないですか。お見舞いのときでも、私が足をマッサージしてたときに、うっかり転んでお兄さんの布団に寝たこともありましたよ」
「そうだったかなあ」
「本当ですって。これからまだ長い旅があるのに、それぞれ蒲団代を払うのはばかばかしいですよ。一人より二人で寝たほうが暖かいかもしれないよ」
「じゃあお継さん、背中合わせに寝よう。でも女と男が一緒に寝るのも気が引けるし、観音様に申し訳ない気がするから、ここに洗った草鞋の紐があるから、これを仕切りにしておいて、こっちはお前さん、こっちは私にして、仕切りの外に手や足を出したら罰金ね」
「背中合わせなら暖かいし、それじゃそうしましょう」

原文 (会話文抽出)

「山之助さん、今日は余程お加減が宜うございますねえ」
「お繼さん誠に有難う、私はまア斯様にお前さんの介抱を受けようとは思いませんかったが、不思議な縁で連に成ったのも矢張笈摺を脊負ったお蔭、全く観音様の御利益だと思います、実に此の御恩は死んでも忘れやア致しません」
「何う致しまして、斯んな事はお互でございます、お前さんも西国巡礼私も西国を巡るので、一人では何だか心細うございますが、一緒に行けば何処を流しても同行二人でお互いに力に成りますから」
「誠に有難いことで」
「山之助さん、誠に寒くていけませんし、斯う遣って別々に長く泊って居りますと、蒲団の代ばかりでも高く付きますから、私の考えでは蒲団を返してしまって、下へはお前さんと私の着物などを敷いて左様して上に一枚蒲団を掛けて、一緒に寝る方が宜いかと思いますが、お前さん厭でございますか」
「えゝ寝ても宜うございますけれども、お前さんが男なら宜いが、女だからねえ、私は何うも一緒に寝るのは悪うございますから」
「何も宜いじゃア有りませんか、お前さんの長い煩いの中には私が足を摩って居ながら、つい転りとお前さんの床の中へ寝た事もございますよ」
「左様ですかねえ」
「本当に費では有りませんか、是からも未だ長い旅をするのに、銘々蒲団の代を払うのは馬鹿々々しゅうございますよ、却って一人寝るより二人の方が温かいかも知れません」
「じゃアお繼さん脊中合せに寝ましょう、けれどもねえ女と男と一つ寝をするのは何だか私は極りが悪いし、観音様にも済みませんから、茲に洗った草鞋の紐が有りますから、是を仕切に入れて置いて、是から其方がお前さん、是から此方は私としてお互に此の仕切の外へ手でも足でも出したら、それだけの地代を取る事に致しましょう」
「それじゃア脊中合せが温かいから」

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