三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』 「旦那妙なことをなさるね」…

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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』

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「「旦那様、妙なことをなさいますね」

「いや、庄吉は怠けているんじゃなくて、私がたまに変わりにやってるんだ。酒を飲んだ時は体がほぐれるよ」

「なるほど、これはいい方法ですね。裸足で土を踏むのがからだにいいって聞きますが、旦那様が薪を割るんですか?」

「七兵衛さん、薪炭を使わないのかい?檀家から持ってきてるんだけど、炭は上等な炭だよ。見に来なさい…こちらに下駄があるよ」

「どこに下駄が?」

「そっちに置いてあるよ」

「なるほど、これは面白い。変わった形ですね。旦那様の姿がいいねえ。本当に、飾り気のない、住職とか旦那様とか言われる方が、薪を割るなんて面白いです」

「七兵衛さん。さっき、お前が私に「おつう」って言いかけたけど。お前はお梅はんと私が怪しいことでも考えてると思って疑ってるんじゃないのか?」

「旦那様、私が疑うってことは何にもありませんよ。あなたが隠居なさったら、お梅を正式に貰ってもいいんですから。本人にもそういう気持ちがずっとあるので。その代わり、あなたには」

「おいおい、私はお前の女房を貰い切りにしたいなんて、いつ頼んだ?」

「頼まなくてもいいじゃないですかい。頼まれてもご迷惑ですか?」

「おい、私も一寺の住職なんだから、納所坊主とは違うぞ。それはお前がお梅さんと私が怪しいって言ったから、夫がある身でそのままにするわけにはいかないんだ」

「そのままにできないって、あなたも分かってないですね。お梅はあなたとどうなっているのか、目がありますから知ってますよ。何も苦労人・藤屋の七兵衛さんだけ知らなくていいわけないでしょ?」

「こりゃ、私は覚えてないぞ。えーや、どうなっててもそんなことはした覚えはないわ」

「ううーん」

原文 (会話文抽出)

「旦那妙なことをなさるね」
「いや庄吉は怠けていかぬから私が折々割るのさ、酒を飲んだ時はこなれて宜いよ」
「なるほど是れは宜うございましょう、跣足で土を踏むと養生だと云いますが、旦那が薪を割るのですか」
「七兵衞さん薪炭を使わんか、檀家から持って来るが、炭は大分良い炭じゃア、来て見なんせ……此方に下駄が有るぞえ」
「何処に下駄が」
「それ其処に見なさい」
「成程これは面白い妙な形で、旦那の姿が好いねえ、何うもあなた虚飾なしに、方丈様とか旦那様とか云われる人の、薪を割るてえなア面白いや」
「七兵衞さん、先刻お前、私におつう云掛けたが、お前はお梅はんと私と訝しな事でも有ると思って疑って居やアせぬか」
「旦那もし、私が疑ぐるも何もねえ、貴方が隠居なさればお梅を上切りにしても宜いので、疾うに当人も其の心が有るのだから、その代りにねえ貴方」
「おい/\私はお前はんのな女房を貰い切りにしたいと何時頼みました」
「頼まねえと、頼んでも宜いじゃアねえか、吸涸しではお気に入りませんかえ」
「これ私も一箇寺の住職の身の上、納所坊主とは違うぞえ、それはお前はんがお梅さんと私が訝しいと云うては、夫ある身で此の儘には捨置かれんが」
「捨置かれんたってお前さんも分りませんね、お梅はお前さんと何うなって居ると云うのは眼が有りますから知っては居ますが、何も苦労人の藤屋七兵衞知らねえでいる気遣いはねえのさ」
「こりゃ私は覚えないぞ、えゝや何う有っても、そんな事をした覚えないわ」
「うーん」

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