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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』
「水司、どうしたの?遊郭の二階でそんなことしてちゃダメだよ。ここは色街なんだよ。けんか腰で廓に来て、たいしたこともない遊女の若造と相手してどうするの?バカじゃないの?それに、新米だし、家にいないことが多いのは良くないよ。俺は仕事で仕方なく来たり、勉強のためによく来たりするけどさ、君みたいな立場の人が遊び歩いてるのを知られたら武田さんに怒られちゃうよ。内緒にしておくから、帰りなよ」
「本当に恥ずかしいです。つい一晩来たら、すごく扱いが悪くて、悔しくて。友達にも『田舎侍が来ても相手にされない』って言われて、悔しくなってもう一度来てみたんですけど。いくらマナーがなってないとは言っても、二階の連中が俺をからかって、ムカついてしまって……あそこにいる、君のそばに立ってる小増って女にハマっちゃって。金を持っていけば絶対落ちるって言われたから、昨日2万円工面して持ってきたんだけど、そしたらその遊女が、失礼にも俺に悪口言って、膝の上に金を叩きつけたんですよ。頭にきて、ああいうことになっちゃって。ホントに申し訳ありません。どうか、お父様と武田様には内緒にしてください」
「なるほど。この小増は俺が長い付き合いなんだよ。こういう廓には『意気地』っていうのがあるんだ。同じ店の者でも、俺にはついてるけど、君みたいな下っ端にはつかないんだ。それが意気地ってもので、遊女にも義理人情があって、俺が買うてる女だから君には出ないんだよ。小増のことは諦めてくれ。ここは俺の知り合いだから」
「へー、そうなんですか。君の知り合いですか、ふーん」
「ちょっと水司、俺の大事な人だよ。深い仲になってるお客さんはこの中根さんで、中根さんに出てる俺が、君みたいな下っ端にどうして出られると思う?よく考えてみろよ。出たいと思っても出られないし、君みたいな人に誰が好んで出るかっての?自分の顔をよく見ろよ。あのナルシストぶった感じでさ。鏡見たことないのか?火吹き達磨みたいじゃん。君の顔を見るとバカバカしくなってくるよ」
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