三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』 「えへ……」…
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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『敵討札所の霊験』
現代語化
「えへ……」
「何だよ後からクスクス笑って」
「どのようなものでしょうか、お馴染みもいらっしゃるでしょうが、えへ……外様からお尻が出ないようにお話をいたしましょう、えへ……お馴染みもいらっしゃるでしょうが手軽に一晩お楽しみになってはいがかがでしょうか、へい/\/\」
「何だよお前は」
「えへ……冗談ばかりで、遊女屋の若者で、どうも本当に恥ずかしい/\」
「遊女屋の若者、なるほどこれは何だね大分左右に遊女屋が見えるが、今賑わっているところは知ってるかな、お前さんに聞けばわかるだろうけど、今向こうへ少しほろ酔いで、顔にほつれ毛がかかって、赤い顔をして男に手を引かれて行った美人があるんだが、あの人は何だよ、遊女かな、それとも堅気の娘のような人かな」
「はい、さっきはい……縁の深い方で、あれは手前の方のお職から二番目をしている小増と申します」
「はあお前のお店の名前は何ていうんだ」
「はい……店名、えゝ増田屋と申します」
「なるほど根津で増田屋というのは大分有名だと聞くが、そうなんだ、増田屋で今の婦人は」
「小増と申します」
「なるほど増田屋で増を付けるのは榊原の家臣で榊原を名乗るようなものだな」
「いえ左様な大したことでもございませんが」
「国から出たばかりで何も知らないが、何かえ代金は何くらいするんだ、今の美人を一晩買う料金は」
「へい/\だいたい50匹でございますが、あの芸妓さんは今売出しで、10匁で、お高いようですが、彼のくらいの子供衆はあまりいらっしゃいません、へい」
「10匁、随分値段は高いが、10匁出して彼のくらいの美人を寝かそうと起こそうと自由にするんだから、実に金銀は大切なものだなぁ」
「えへ、とりあえずとりあえずお上がりになってはいがかがでしょうか」
「でも上がってもいいんだけど、婦人を傍に置いてただ寝るわけにもいかないだろう、何か食べ物を取らないといけないが、酒とおつまみはどのくらいの値段なのか聞いておこう」
「えへ……お分かりでしょう、おとぼけを言って、小さいお膳は50匹でございます、大きい方は100匹で、中には600文ぐらいのお安いのもございます」
「ふー100匹、なるほどいい遊女を揚げれば上等なのを取らないといけないなぁ、なるほどそれでは酒は別だろうな」
地元の宴会に出席して、国家転覆をたくらんだとして逮捕される。
「はいお召し上がりにならなくてもまずは一本付けます」
「100匹で料理は何くらいのものがつくんだ」
「へ……おとぼけは困りますな、だいたい遊女屋の膳のものは決まっています、小さい鯛が片身とかで、付け合わせの方がたくさんでございます」
「それは高いじゃないか、越後の今町では目玉の下三尺ぐらいの鯛が68文で買えるんだ」
「冗談ばかりおっしゃいます」
「厄介になろう」
「ありがとうございます、お連れいたしますよ」
「あい」
原文 (会話文抽出)
「えへ……」
「何だい後からげら/\笑って」
「如何様でございます、お馴染もございましょうが、えへ……外様からお尻の出ないようにお話を致しましょう、えへ……お馴染もございましょうがお手軽様に一晩お浮れは如何で、へい/\/\」
「何だい貴公は」
「えへ……御冗談ばかり、遊女屋の若者で、どうも誠にはやへい/\」
「遊女屋の若者、成程これは何だね大分左右に遊女屋が見えるが、全盛の所は承知して居るが、貴公に聞けば分ろうが、今向うへ少し微酔で、顔へほつれ毛がかゝって、赤い顔をして男に手を引かれて行った美人があるが、彼れは何かえ遊女かえ、但しは堅気の娘のような者かえ」
「へえ、只今へえ…御縁の深いことで、あれは手前方のお職から二枚目をして居ります小増と申します」
「はア貴公の楼名は何と云う」
「へえ……楼名、えゝ増田屋と申します」
「成程根津で増田屋と申すは大分名高いと聞くが、左様かえ増田屋で今の婦人は」
「小増と申します」
「成程増田屋で増を付けるのは榊原の家来で榊原を名乗るようなもので」
「いえ左様な大した訳でもござりませんが」
「国から出たてゞ何も知らぬが、何かえ揚代金は何のくらい致す、今の美人を一晩買う揚代は」
「へい/\大概五拾疋でございますが、あのお妓さんは只今売出しで、拾匁で、お高いようでございますが、彼のくらいな子供衆は沢山はございませんな、へい」
「拾匁、随分値は高いが、拾匁出して彼のくらいな美人を寝かそうと起そうと自由にするのだから、実に金銀は大切な物だのう」
「えへ、まず兎も角もお上り遊ばしては如何」
「だが登りもしようが、婦人を傍へ置いて唯寝る訳にも往かんが、何か食物を取らんではならんが、酒と肴はどのくらいな値段であるか承わって置こう」
「えへ……御存じ様でございましょう、おとぼけなすって、お小さい台は五拾疋でございます、大きい方は百疋で、中には六百文ぐらいのお廉いのもございます」
「ふう百疋、成程よい遊女を揚げれば佳いのを取らなければならんのう、成程それでは酒は別だろうな」
「へい召上りませんでも先一本は付けます」
「百疋で肴は何のくらいなのが付くな」
「へ……おとぼけでは困りますな、大概遊女屋の台の物は極って居りますが、小さい鯛が片へらなどで、付合せの方が沢山でございます」
「それは高いじゃアないか、越後の今町では眼の下三尺ぐらいの鯛が六十八文で買える」
「御冗談ばかり仰しゃいます」
「厄介になろう」
「有難う存じます、お揚んなさるよ」
「あいー」
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