太宰治 『津軽』 「人間」…

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青空文庫図書カード: 太宰治 『津軽』

現代語化

「人間」
「いや、もういいんです。このあと電車で深浦に行かないといけないんで。」
「深浦に? 何しに?」
「別に、何てわけでもないんですけど、一度見ておきたいんです。」
「記事にするの?」
「うん、それもあるんだけど、」
「じゃあ、木造のことも書くのな。木造のことを書くんならね、」
「まず第一に、米の供出量を書いてもらいたいね。警察署管内の比較では、この木造署管内は、全国一なんだ。どうです、日本一ですよ。これは、俺たちの努力のたまものと言ってもいいと思う。このへんの田んぼの水が干上がったとき、俺は隣村に水を借りに行って、それが大成功して、大トラが水虎大明神に変わったという話になりました。俺たちも、地主だからといって遊んでられない。俺は脊髄が悪いんだけど、でも、田の草取りはしましたよ。まあ、今度はおまえたち東京組にも、おいしいご飯が山ほど配給されるでしょう。」

原文 (会話文抽出)

「人間」
「いや、もういいんだ。一時の汽車で、深浦へ行かなければいけないのです。」
「深浦へ? 何しに?」
「べつに、どうつてわけも無いけど、いちど見て置きたいのです。」
「書くのか?」
「ええ、それもあるんだけど、」
「ぢやあ、木造の事も書くんだな。木造の事を書くんだつたらね、」
「まづ第一に、米の供出高を書いてもらひたいね。警察署管内の比較では、この木造署管内は、全国一だ。どうです、日本一ですよ。これは、僕たちの努力の結晶と言つても、差支へ無いと思ふ。この辺一帯の田の、水が枯れた時に、僕は隣村へ水をもらひに行つて、つひに大成功して、大トラ変じて水虎大明神といふ事になつたのです。僕たちも、地主だからつて、遊んでは居られない。僕は脊髄がわるいんだけど、でも、田の草取りをしましたよ。まあ、こんどは東京のあんた達にも、おいしいごはんがどつさり配給されるでせう。」

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