横光利一 『旅愁』 「しかし、あなたもう一度行くのそれだけはお…

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青空文庫図書カード: 横光利一 『旅愁』

現代語化

「でも、あんたもう一度行くのだけは絶対やめてよ」
「うん」
「でも、今度行くなら、あたしめっちゃ勉強したいことがあるの。前はすぐ帰ってくると思ってたでしょ。だから、外から見ただけだったけど、帰ってからめっちゃもったいなくて、あんたみたいに勉強したくてたまらなくなったのよ」
「へー、あんときってあんたもなんか研究してたの?」
「あんときは、あんたが悪いんだよ。あんたがただ遊べばいい、それが1番勉強だって言ったじゃん」
「いや、あのときはそれが本当だったんすよ。俺も、あのとき遊んだことだけは後悔してませんから」
「だから、こんなに帰ってから勉強したくなるの、――あたしね、洋裁の断ち方をもっと勉強して、自分で生活していきたいと思うの。そんなこと考えると、楽しいのか寂しいのか、よくわかんないんだけど――」

原文 (会話文抽出)

「しかし、あなたもう一度行くのそれだけはおやめなさいよ。」
「ええ。」
「でも、今度行くのでしたら、あたしみっちり研究してみたいことがあるの。この前のときはすぐ帰るんだと思っていたでしょう。ですから、ほんの真似事みたいに外から調べただけだったけど、帰ってから何んだか惜しくって、あなたじゃありませんが、急に勉強したくてたまらなくなるんですのよ。」
「じゃ、あのとき、あれで何かあなたも研究してらっしたんですか。」
「あのときは、あなたがいけないんですよ、あなたはただ遊べ、それが何より勉強だって仰言ったわ。」
「いや、あのときは一番それがほんとうだったのですよ。僕だって、あのとき遊んだことだけは後悔したことありませんからね。」
「そのせいね、こんなに帰ってから勉強したくなるの、――あたしね、洋裁の断ち方をもっと勉強して来て、自分で生活をしてゆきたいと思うの。そんなことこのごろいろいろ考えると、愉しいんだか寂しいんだか、よく分らなくなって困るんだけど――」

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