横光利一 『旅愁』 「あなたのプウレオウリ、思い出すわ。この方…

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現代語化

「あんたのプウレオウリ、思い出すよ。この人、パリで若鶏ばっか食ってらしたんすよ。一度鶏供養したら、罰があたるっすよ」
「マジで何百羽食ったんだろ。一度鶏供養しよ。その供養でまた食うか」
「どこの料理が1番好きっすか」
「鶏のこと思い出すと、1回外国行ってみたいなって思うんすよ。由吉さんがまた行くって聞いても、まず鶏が浮かんでくるんすよね。こういうのが、やっぱ供養なんすかね。だから、今日の分もつまり、これも鶏供養っすよ」
「そうかもしれないですね。兄さんと行くことになるんなら、あたしあんたの代わりにいっぱい鶏食っときますよ」
「じゃ、あんた、また行くつもりもあるんすね。なんか、むかつくわ」
「でも、兄さんが行こう行こうって言うんすよ。帰って半年目と1年目に、1番また行きたくなるって言うけど、なんかそうなりそう。何だか、あたしもそのせいか、時々ふらふらって、目眩しそうな感じで行きたくなるときがあるの。あんたは?」
「俺は今日みたいに、鶏が出る時だけっすね、行きたいのは」
「外国の鶏って、これよりもっと美味いんすか」
「絶対美味かったっすよ」

原文 (会話文抽出)

「あなたのプウレオウリ、思い出すわ。この方ね、パリで若鶏ばかし上ってらしたの。一度鶏供養なさらなきゃ、罰があたりましてよ。」
「ほんとに僕はパリで何百羽食べただろう。一度鶏供養をしよう。その供養でまた食べるか。」
「どこの料理が一番お好きでした。」
「僕は鶏のことを思うときだけ、一度外国へ行きたいなアと思うんですよ。由吉さんのまた行かれることを聞いても、第一に鶏が浮んで来てね。こういうのが、やはり、供養というんでしょうね。だから、今日のもつまり、これも鶏供養です。」
「それはそういうものでしょうね。兄さんと行くようなことにでもなったら、あたしあなたの代りに沢山鶏を食べといて上げてよ。」
「じゃ、あなた、また行かれるおつもりもあるんですね。どうも、いまいましいなア。」
「でも、兄さんから行こう行こうって云うんですの。帰ってから半年目と一年目に、一番また行きたくなるって云うけれど、どうもそのようね。何んだかしら、あたしもそのせいか、ときどきふらふらっと、眼暈いするみたいに行きたくなることがあるの。あなたは?」
「僕は今日のように、鶏の出るときだけだ、行きたいのは。」
「外国の鶏はこれよりもっと美味しいんですか。」
「たしかに美味かったと思いますね。」

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