横光利一 『旅愁』 「僕らがこうしてパリの街を歩いていて、ふと…

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青空文庫図書カード: 横光利一 『旅愁』

現代語化

「俺らパリの街歩いてると、ふと自分の考えてることわかると、胸の奥で何か絶望してる感じがするんだよ。あんたはわかんないかもしんないけど、俺絶対そう」
「何ていうか、全部知ろうとして焦ってる心が、無理だってわかって諦めた後の、諦めに近いもの。この街ができた時から、人間が考えてやってきたこと全部を知ろうとするから絶望するんだ。つまり、自分がこんなにしか知らないんだって思い知らされる」
「前に行ってもダメ、後ろに戻ってもダメってこと?」
「そう。ここは戦場と同じ。頭の中は銃弾が飛んでる。看護師が助けに来てくれるけど、そいつがピストル持ってる。俺もだいぶやられたよ」
「どっちも生き残れなくない?」

原文 (会話文抽出)

「僕らがこうしてパリの街を歩いていて、ふと自分の考えていることに気がつくと、どういうものだか、どっか胸の底で一点絶望しているものを感じるね。君はどうだかしらないが、僕はたしかにそうだ。何んというか、眼にするものを尽く知り尽そうとしていら立つ精神が、これやとても駄目だと知って投げ出された後の、まアいわば、あきらめみたいなものだよ。この街の成り立っているそもそもの初めから、人間が今まで考えて来たこと、して来たことを、全部くぐり込もうとするもんだから、絶望をするんだ。つまり、自分がたったこれだけより知らんのだと、思わせられてばかりいるんだね。」
「前へ行っても駄目、後へ戻っても駄目だというんだろ。」
「そうだよ。ここは戦場と同じだね。頭の中は弾丸雨飛だ。看護卒が傍へ助けに来てくれても、こ奴までピストルを突きつけやがる。もう僕もだいぶ負傷をしたよ。」
「どっちも生還おぼつかないかな。」

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