横光利一 『旅愁』 「あんとれ。」…

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青空文庫図書カード: 横光利一 『旅愁』

現代語化

「こんちわー。」
「あら。」
「私、ドキドキしてたんです。今朝着いたんですけど、もしや矢代さん、来てなかったらどうしようかと。」
「あら、お顔が青いわね。おつかれになったの?」
「よくわかりましたね。」
「日本語を使うのは今日が初めてよ。なんだか変ね。」
「でも、ご無事でよかったわ。」
「無事は無事ですが、夢を見てるようです。今、来る途中でとんでもない山を見ましてね。入道雲みたいな山なんですけど、山全体が磁石でできてるようなもので、見ると、疲れてくたくたになっちゃうんですよ。」
「あら、どんな山?」
「えーっと、絵葉書にはミッテンワルドって書いてあるんですけど、口の中で繰り返して言うと、見ると悪いぞって意味になってきて、びっくりして逃げてきたところです。」
「でも、この街も私、不思議なところだと思いましたわ。」
「そうなんだ。ここも恐ろしいところですよ。だって、見ると悪いぞの続きですから。」

原文 (会話文抽出)

「あんとれ。」
「あら。」
「あたし、ひやひやしてましたのよ、今朝著いたんだけど、もしかして矢代さん、いらっしゃらなければどうしょうかと思ってたところなの。」
「まア、青いお顔よ、お疲れになったの。」
「よく分りましたですね。」
「日本語を使うのは今日初めてですよ。何んだか変だな。」
「でも、御無事で良かったわ。」
「無事は無事ですが、夢を見てるみたいだ。僕は今来る途中で、とてつもない山を見ましてね、入道雲のような山なんですが、山全体が磁石で出来てるようなもので、そ奴を見ると、疲れてへとへとになるんですよ。」
「まア、どんな山?」
「さア、絵葉書にはミッテンワルドと書いてあるんだが、口の中で繰り返して云ってると、見ると悪いぞという意味になって来て、驚いて逃げて来たところなんです。」
「でも、この街もあたし、不思議なところだと思いましたわ。」
「そうだ、ここも恐ろしいところだな。何しろ、見ると悪いぞのつづきだから。」

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