横光利一 『旅愁』 「どなた。」…

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青空文庫図書カード: 横光利一 『旅愁』

現代語化

「どなた?」
「船長だよ。これから見物に行くらしいよ。あの船長は自信満々だね。外国人は、こちらがちやほやするほど、嬉しそうにして見せるけど、心の中では相手を見下してるって言うけど、日本人がヨーロッパ、ヨーロッパって騒ぎ立てるのは、貧乏くさい馬鹿面を見せる練習みたいなもんなのかな。なんか、今日はそう思った。」
「それ、私もそう思います。今日街を歩いてた時、私の前を西洋人の親子が歩いてたんです。そしたら、お父さんが子供に、「お前も胸を張って歩け。こうやって」って言って、自分が反り返って歩くんです。そしたら、16、7歳の子供の方も猫背をやめて反り返って歩くんです。」
「へぇ、やっぱりヨーロッパの人は、そういうのばっかり考えてるんですね。恥ずかしがったり照れたりしたらもうダメなんだ。」

原文 (会話文抽出)

「どなた。」
「船長ですよ。これから見物に行くんだそうです。あの船長はなかなか自信があっていいですね。外国人は、こちらがちやほやするほど、嬉しそうにして見せて、肚では相手を軽蔑するというけれども、日本人がヨーロッパ、ヨーロッパと何んでも騒ぎ立てるのは、これや、貧乏臭い馬鹿面を見せる練習をしてるようなものかもしれないな。どうも、僕は今日はそう感じた。」
「それや、そうだとあたしも思いましたわ。今日街を歩いていたとき、あたしの前を西洋人の親子が一緒に歩いていたんですのよ。そしたら、お父さんの方が子供にね、お前も少しぴんと胸を張って歩け、こうしてっと云って、自分が反り返って歩いてみせるんですの。そしたら、十六七の子供の方も猫背をやめてぴんと反って歩くんですの。」
「ははア、じゃ、やっぱりヨーロッパの人間は、それだけはしょっちゅう考えているんですね。羞しがったり照れたりしちゃ、もうお終いのところなんだ。」

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