森鴎外 『伊沢蘭軒』 「売酒老翁旧相知。竹欄沿例先把巵。」…

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青空文庫図書カード: 森鴎外 『伊沢蘭軒』

現代語化

「お酒を売ってるおじいさんは昔からの知り合い。いつも通り、竹で作った囲いの前にある升を手に取る」
「紫屋と紅軒は桜の花だらけ。お寺に新しく小さな祠ができた。おじいちゃんとおばあちゃんが子供や孫を連れて遊びに来て、桜湯をたくさん飲んでお釈迦様にかけてる」
「水が渓流の石に当たって白く飛沫をあげてる。風が藤の花を揺らして、紫色にふるい落とされそうになってる」
「嘉永3年の日光への道中で詠んだ歌」
「この年（嘉永2年）の9月、日光東照宮などの修理工事の責任者を任される。翌年（3年）の3月、役人の働きぶりを褒められ、また東照宮の修理のために日光に行くことになったので、葵の紋が入った馬の飾りをもらった。4月、日光に行き、10日ほどして帰ってきた」

原文 (会話文抽出)

「売酒老翁旧相知。竹欄沿例先把巵。」
「紫屋紅軒尽是花。禅房新造小龕家。媼翁各伴児孫去。競酌香湯灌釈迦。」
「水奔渓石白如噴。風擺藤花紫欲篩。」
「嘉永三庚戌日光道中口占」
「此年（嘉永二年）九月、日光東照宮其他の修繕工事総奉行を命ぜらる。翌年（三年）三月、勝手掛勉励の労を賞せられ、且つ東照宮修繕の為に日光に発向するを以て、葵章鞍覆を賜はる。四月、日光に赴き、十余日にして帰る。」

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