森鴎外 『伊沢蘭軒』 「追書。」…

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青空文庫図書カード: 森鴎外 『伊沢蘭軒』

現代語化

「追伸。」
「先日のお手紙で申し忘れたことをお伝えします。大蔵謙介さん(牛込の南御徒士町にお住まいだと聞きました)の敷地の件ですが、お届けできたらと思います。お伝えください。江戸では「下地」といえば蕎麦のつゆのことを言います。備後では「由来」という意味です。おかしな話です。」
「華御座は届きましたか。これは山南という所で作ったもので、神辺から5里くらい(日本の里程で)西にあります。そのあたりに知人がいるので、お願いしました。(畳はあちらでは黒人が作るんですが、こちらではよくわからないので。)浦郷でももちろん大丈夫です。私が添え書きをしないのを不思議に思わないでください。」
「矢代太郎さんはお元気ですか。勝手ながらお伝えください。去年いただいたお言葉をまだお礼を言ってなかったので、お伝えします。豊後の人、田辺主計という人に手紙を送っておいて、私にもよろしくと仰せだったそうです。前年差し上げた歌は届きましたか。」
「去年、長崎の名村新八という者が来ました。今もまだ滞在しているなら、お伝えください。その目的は何だったんでしょうか。」
「他に言うべきことはありません。大田の御病人さまのご様子はいかがですか。お伺いしたいです。恐惶謹言。春社。菅太中晋帥。伊沢辭安様。」
「去年頂いた狂詩、人には見せられません。またそういうのが出たらお送りください。」
「蜀山人先生がお病気の由、お伝えください。病状も伺いたいです。老衰は同じ病気です。失礼ながらお見舞い申し上げます。敬白。」

原文 (会話文抽出)

「追書。」
「前日の書に申のこし候こと申上候。先大蔵謙介(牛ごみの南御徒士町とやら承候)下地御とゞけ被下候賜もあり。宜奉願上候。下地といへば江戸にては蕎麦の汁などを申候。備後にては由来をいふ。笑申候。」
「華御座は届申候哉。これは山南と申処にて出来。神辺をさること五里。(日本里程。)かの方にしる人有之、宜くたのむと申遣し候。(凡たたみ類の事あちらは黒人也。こちらはしらず候ゆゑ也。)勿論浦郷にて便も宜候故也。私添書どもなきをあやしむことなかれ。」
「矢代太郎様御安祥に被遊御座候哉。乍憚宜奉願上候。去年か御伝言被下候御礼も奉頼上候。豊後人田辺主計と申ものへ御書通、私へも宜と被仰下候由、其方より申来候。前年さし上候うたは御届被下候覧と奉存候。」
「去年長崎名村新八てふをのこ参候。于今滞留に候はば御次に宜奉願上候。之子いかなる用事に候哉。」
「此余申上べき事なし。大田之御病人様いかが。御左右承度候。恐惶謹言。春社。菅太中晋帥。伊沢辭安様。」
「去年狂詩被遣、人にはなしをかしがらせ候。あんなもの又出候はば御こし可被下候。」
「蜀山人先生御病気のよし御次に宜奉願上候。御病状も承度候。衰老は同病也。失礼ながら相憐候かた也。敬白。」

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