宮本百合子 『道標』 「わたくしは駄目よ」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「私なんかダメよ」
「磯崎がいつも言うんだけど、私の絵って理論とか考えなしに描いてるからしょうがないんだって――まだ絵じゃないんだって」
「じゃあ、もう描くのやめちゃったんですか」
「違うよ、私たちも絵じゃない絵の好きな人なんだよ。私はスミコさんの絵がすごい好き」
「それでいいじゃん」
「誰も最初は可能性から始まるんでしょ。私が見る限り、今すごいって言われてる画家もみんな可能性を信じていろいろやってるっていうか、可能性の限界を試してるっていうか、そういう感じだと思うんだけどね。――なんで、スミコさんが自分なりに描いてちゃいけないのかな」
「――磯崎の絵よ。――この間大体描き終わったばかり」

原文 (会話文抽出)

「わたくしは駄目よ」
「磯崎が、いつも申しますわ。わたしの絵は、まるで理論がなくて描くから仕様がないんですって――まだ絵じゃないんですって」
「それで、あなた描くのをやめているんですか」
「じゃあ、わたしも絵と云えない絵のすきな人なんだわ。わたしはたいへん須美子さんの絵が好きよ」
「それでいいじゃないか」
「誰だって、可能性からはじめるんじゃありませんか。わたしのみるところじゃ、現代の巨匠と云われる人たちことごとく、可能性に立って試みをしているというか、或は、試みの可能性の限界をためしているとでもいうしきゃないと思いますがね。――どうして、須美子さんが、自分なりに描いていちゃいけないのかな」
「――磯崎の絵です。――この間大体仕上げたばかりです」

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