宮本百合子 『道標』 「これ、ほったらかしといて、いいのかい?」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「これ、ほったらかしにしておいて、いいのかい?」
「――どうする?」
「私は失礼させてもらおうと思うんだけど、悪いかな……」
「ぶこの勝手だよ」
「私ね、反発してるのよ。日本人がこれまでパリとかフランスとか言うと、やたらデリカシーぶってるのが当たり前みたいに思われてるでしょ。私、それじゃ違うと思うの。曲線一つ比べたところで、フランスは鋼の唐草だと思うわ。その強さに、はね飛ばされて、デリカシーのフリをしてるんだと思う。私、そういう修正は、いらない」
「それにパリにはフランス料理の他に変なムッソリーニ風マカロニ料理だの、なんだ大公式羊の丸焼き(コーカサス料理の名)だのっていう料理があるでしょう。こっちの文学者の中にも、案外そういうのがお気に入りって人もいるのかもしれないのよ。私には、とてもその区別がつかないの」

原文 (会話文抽出)

「これ、ほったらかしといて、いいのかい?」
「――どうする?」
「わたしは失礼しちゃおうかと思うんだけれど、わるいかしら……」
「ぶこちゃん次第さ」
「わたしね、反抗しているのよ、日本の人がこれまでパリとかフランスとかいうと、いやにディレッタントになっちゃって、それが通みたいになっているでしょう。わたし、それじゃちがうと思うの。曲線一つくらべてみたって、フランスは鋼の唐草だと思うわ。その勁さに、はじきのけられて、ディレッタントというポーズが出来るんだと思う、わたし、そういう修正は、ほしくない」
「それにパリにはフランス料理のほかに妙なムソリニ式マカロニ料理だの、何とか大公式羊の焙肉(コーカサス料理の名)だのっていう料理があるでしょう。こっちの文学者のなかにだって、案外そういうものが御愛好って人もあるにちがいないのよ。わたしには、とてもその見わけがつかないもの」

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