GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』
現代語化
「できるだけ賑やかな所を通らないデモって――ヘンだよね、パリ流って――」
「そもそも、フランスでは毎年予算の何割かが外国人の落としていく金なんです。今年は特に、イタリアとスペインが観光客競争に乗り出してきて、フランス政府は外国人の買い占める贅沢品に特別関税をかけようとしてるとかいうデマを流したもんだから、――あなたがたが来るちょっと前頃だったけど。政府はギョッとしたらしいよ。パリで金使う連中は、みんな自分の国の不況とか自分の会社のストとか忘れようとして来るんだから。パリで見たいのは、デモじゃなくて」
「なるほどねー」
原文 (会話文抽出)
「――それじゃ効果がないじゃありませんか」
「できるだけ賑やかなところはねりまわないデモなんて――妙なんだな、パリ式って――」
「なにしろ、フランスでは毎年歳入の幾割かが外国人のおとしてゆく金なんです。ことしなんかは、イタリーとスペインが観光客あらそいにのり出して来て、フランス政府は外国人の買い上げる贅沢品に特別関税をかけようとしているなんてうその宣伝したもんだから、――あなたがたの来られるちょっと前ごろでしたがね。政府はうちけしに大童でしたよ。パリで金をつかう連中は、みんな自分の国の失業や自分の会社のストライキなんか忘れるために来ているんですからね。パリでみたがっているのは、デモじゃ無いでしょうよ」
「なるほどねえ」