GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』
現代語化
「この翻訳してもらいたいんだ」
「組織に潜入してたスパイを処刑した男だ。レニングラードの薬学校の裏の洞窟で――」
「悪霊」
「ドストエフスキーが小説に書いてた事件かしら」
「ネチャエフって男は、すごいヤツだ」
「捕まって、牢屋に入れられて、何回裁判にかけられても組織については一言も喋らなかった。それを読んで、キミが適当と思う部分だけ訳せばいいんだ」
「それは急がないから、ゆっくりでいいよ。でも6月半ばには俺はクリミアに行っちゃうけど。日本のインテリはあまりにも腰抜けだから、ネチャエフみたいにしっかりしたヤツもいるってことを見せてやる必要がある」
原文 (会話文抽出)
「フィグネル、知っているんだろう? 人民の意志党の婦人闘士だった女だ」
「こっちは、翻訳してもらいたいんだ」
「組織へはいりこんでいたスパイを制裁した男だ。レーニングラードの薬学校の裏の洞窟で――」
「悪霊」
「ドストイェフスキーが小説にかいている事件かしら」
「ネチャエフという男は、大した男だ」
「つかまって、牢屋へぶちこまれて、いくど法廷へひっぱり出されても何一つ組織については云わなかった。それをよんで、きみが適当だと思う部分だけ翻訳すればいいんだ」
「それは、いそがないから、ゆっくりでいい。もっとも六月の半ばになれば、僕はクリミヤへ行ってしまうがね。日本のインテリゲンツィアは、あんまりいくじがないから、ひとつ、ネチャエフみたいに、しっかりした男もあるってことを教えてやる必要がある」