宮本百合子 『道標』 「わたしにはね、ひとつ大願がありますのよ」…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「あたし、すごい願望があるんだよね」
「バカにしちゃダメだったら、言うんだけど。どうにかして、亀田をイタリアに行かせて、思う存分才能を伸ばさせてあげたいんだ」
「ノブさん、あなたならわかってくれるよね、亀田の絵って、全部暗いじゃん」
「暗いって言えるかしら――地味なんじゃなくて?」
「――どっちにしても、沈んでるよね?」
「亀田みたいな絵描きは、どこに出しても損なのよ」
「私たち貧乏だから、亀田の絵もああいうくすんだ色ばっかり使ってるんじゃないかって思う――マチスの生活なんて、最高らしいよ。佐賀多さんも、今めっちゃ売れ始めてるらしくて、かなり派手にやってるんだって」

原文 (会話文抽出)

「わたしにはね、ひとつ大願がありますのよ」
「お笑いなさらなけりゃ、云いましょうか。どうかして、わたしは亀田をイタリーへやりたいんです、そして、思いっきり才能をのばさせてやりたいわ」
「伸子さん、あなたなら云って下さるわね、亀田の絵、どれも暗いでしょう」
「暗いって云えるかしら――地味なのじゃなくて?」
「――どっちみち沈んでいるでしょう?」
「亀田のようなたちの絵はね、どこへ出しても損なのよ」
「わたしたち貧乏でしょう、だから亀田の絵もああいう風にくすんだ色ばかりつかうんじゃないかと思うわ――マチスの生活なんて、すばらしいもんですってねえ。佐賀多さんなんかも、いまめきめきうり出していらっしゃる最中だから、相当派手にやっていらっしゃるんですって」

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