宮本百合子 『道標』 「わたしは、こんどの恐慌についても感動なし…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

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「私は、今回の恐慌についても感動せずにはいられない。アメリカの繁栄は1930年を含まないだろう。そう言った時、世界のたくさんの人たちがフンと思ったでしょう。また始まったって。でも、今はそれが現実で証明されてるわ。本質をつかむってことは、本当にすごいと思うの。すごく強い、言葉では言い表せない美しさがあるわ」
「――でも、ちょっと怖い気もするけど……」
「私は、ここんとこよく思うんだ。……佐々さんに会うのが遅すぎた」
「私が佐々さんから、どんなに新鮮な気持ちにさせてもらってるか、佐々さんにはわからないだろうな」
「ものの見方ってことで?」
「それだけじゃなくて、あらゆるやり方で、……こないだ、クラマールの通りで、佐々さんはソ連の切手を私にくれたでしょう、ああいう渡し方」
「感傷的な旅」

原文 (会話文抽出)

「わたしは、こんどの恐慌についても感動なしにいられない。アメリカの繁栄は一九三〇年を包括しないであろう。そう云ったとき、世界の随分たくさんの人たちがフンと思ったろうと思うんです。また、はじまったって。でも、いまは現実でそれが証明されているわ。本質をつかむってことは、ほんとに凄いとわたしは思うの。実につよい、云うに云えない美しさがあるわ」
「――もっとも、ちょっと、こわくもあるけれども……」
「僕は、このごろになってちょくちょく思うんだ。……佐々さんに会うのがおそすぎた」
「僕が佐々さんから、どんなに新鮮にされているか、とても佐々さんにはわからないだろうな」
「ものの見かたで?」
「そうばかりじゃなく、万事のやりかたで、……こないだ、クラマールの往来のまんなかで、佐々さんはソヴェトの切手を僕にくれたろう、ああいうやりかた」
「感傷的な旅行」

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