宮本百合子 『道標』 「蜂谷さん、その本にかいてあるとおりを読ん…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「蜂谷さん、その本に書いてある通りに読んでくれてるの?」
「――そうでもないけど……」
「すみませんけど、私、経済なんて今まで勉強したことないでしょ? だから、専門用語かもしれないけど、成素形態なんて言葉、考えてみないと意味がわかんないんです。普通なら、基本的な形ってことじゃないの?」
「大体そんな感じだけど、詳しく言うとドイツ語では英語の基本的なって意味より、もっと複雑で全体的な内容なんだよね……」
「普通のことばでノートさせてくれないかな。どうせ経済学者になるわけじゃないんだし。例えば、『資本主義社会の富は、集まった商品の形として表れてくるから、一つ一つの商品は、その富の基本的なものに当たる。だから』みたいな感じで間違ってなければ、その方がわかりやすいんだけど――」

原文 (会話文抽出)

「蜂谷さん、その本にかいてあるとおりを読んで下さっているの?」
「――そういうわけでもないが……」
「すみませんけれど、わたし、経済の勉強って、これまでしたことがないでしょう? だから、専門語かもしれないけれども成素形態なんて言葉、考えてみなけりゃ意味がわからないんです。あたりまえに云えば、エレメンタルな形態ってことじゃないのかしら」
「大体そういう意味だといってもいい。しかしこまかくいうとドイツ語では英語のエレメンタルというよりも、もっと複雑で有機的な内容なんだが……」
「あたりまえの言葉でノートさせていただけないかしら。どうせ経済学者になるんじゃないんですもの。たとえば、『資本主義社会の富は、集積された商品の形であらわれるから、一つ一つの商品は、その富のエレメントにあたる。故に』っていう工合で間違っていなければ、その方がわかりいいんだけれども――」

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