宮本百合子 『道標』 「お前さんかね――日本の女のひとっていうの…

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青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「あなたって――日本の女の子?」
「何か用ですか?」
「入ってもいいですか?」
「どうぞ」
「座ってください」
「寒くないかな。――ここの窓、ガラスが割れてるんだけど」
「気にしないでください」
「私はね、ちょっとあなたにお会いして話したいと思って来たんです」
「お話しして」
「私は、腎臓がおかしくて、体中が腫れてこの病院に入院したんです。できるだけ早く治してもらって、すぐ帰るためにね。それが2週間よりもっと前のことなんです。でももうこの1週間は私の体から腫れが引いて、すっかり治ってるのに、医者たちはまだ治ってないって言うんです。――は?何を知ってるって言うんですか!私は治ったって言ってるのに、医者は治ってないって言う。いつまでも同じことばっかり」

原文 (会話文抽出)

「お前さんかね――日本の女のひとっていうのは?」
「何か用ですか」
「入ってもかまわないかね」
「どうぞ」
「かけて下さい」
「寒くないかしら。――ここの窓はガラスがこわれているんだけれど」
「なに、かまわないさ」
「わたしはね、ちょいとお前さんに会って話したいと思って来たのさ」
「スカジーチェ(おきかせなさい)」
「わたしは、腎臓がわるくて、体じゅうはれたんでこの病院に入って来たのさ。できるだけ早くよくしてもらって、すぐかえるためにね。それが二週間よりもっと前のことさ。ところがもうこの一週間はわたしの体からはれがひいて、すっかりなおっているのに、ドクターは、まだ癒っていないって云うのさ。――え?¨が知っちゃいるもんか! わたしは癒ったっていうのに、医者は癒っていないっていう。あけてもくれても一つことだ」

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