宮本百合子 『道標』 「吉之助さんのような人でも、新劇へうつると…

青空文庫現代語化 Home書名リスト宮本百合子 『道標』

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。 正しく現代語化されていない可能性もありますので、必ず原文をご確認ください。


青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』

現代語化

「吉之助さんみたいな人でも、新劇に行くことはできないんですかね」
「気持ち的には、思い切って行っちゃえばスッキリする気もします。でもどうでしょう」
「歌舞伎の人は、子役からですからねぇ」
「あなたもそうなんでしょう?」
「初舞台が6歳のときでした」
「西洋の俳優も、芸の苦労はあるでしょうけど、私みたいなことで悩むことはないと思いますよ」
「古典劇が得意で、例えばシェイクスピアものをやる人だって、現代劇もできるでしょう。日本の歌舞伎と現代劇の違いみたいな違いは、他の国にはないと思います」
「考えると、日本ってすごい国ですね」
「丁髷のきりくちに、いきなりイプセンがくっついたようなもんですもの」
「大変な問題ですけど、とにかくやってみます」
「私生活からでも、思い切って変えていきます」

原文 (会話文抽出)

「吉之助さんのような人でも、新劇へうつるということはできないものなのかしら」
「気分では、いっそひと思いにそうしたら、さぞサバサバするだろうって気がします。しかしどうでしょう」
「歌舞伎のひとは、子役からだからねえ」
「あなただって、そうなんでしょう」
「初舞台が六つのときでしたから」
「西洋の俳優も、芸の苦心はいろいろあるでしょうが、わたしのような立場で苦しむことはないんじゃないでしょうか」
「古典劇が得意で、たとえばシェークスピアものをやる人だって、現代ものがやれるんでしょう。日本の歌舞伎と現代もののちがいみたいなちがいは、よその国にはなかろうと思うんです」
「考えてみると、日本てところは大変な国だなあ」
「チョン髷のきりくちへ、いきなりイプセンがくっついたようなもんだもの」
「問題が問題ですから、てまがかかりましょうが、ともかく何とかやって見るつもりです」
「私生活からでも、思いきってかえて行ってみるつもりです」

青空文庫現代語化 Home書名リスト宮本百合子 『道標』


青空文庫現代語化 Home リスト