宮本百合子 『道標』 「左団次が一同をあつめて、ロシアへは芝居を…

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「左団次が全員を集めて、ロシアには芝居をしに行くんだって忘れんな、赤くなるのはダメだって言ったけど」
「そんなこと言わせるようなことがあったんだ」
「今度こっちに来るのも、これだけの人数を連れてくんなら金くれって、会社側が大揉めしたって聞いてるぜ」
「歌舞伎も時代に合わせて変えてかなきゃいけないよな。結局、生きてる人間が飯を食うためにやってることなんだから」
「歌舞伎出身の人がそういう気持ちになってるんだったら」
「案外、本音じゃそういうところじゃないのかな?」
「とにかくあの世界はガチガチになりすぎちゃってて。諦めてる人もこっちに来て今のやり方を見たら、目が覚めるよ。俺も人間だったんだって、同じ役者ならこういうのもあっていいかもって、みんな思ってると思うよ」

原文 (会話文抽出)

「左団次が一同をあつめて、ロシアへは芝居をしに行くんだっていうことを忘れるな、赤くなることは禁物だって云ったって――」
「そんなこと云わせるものもあるんですね」
「こんどこっちへ来るについてだって、それだけの人間をひっこぬかれるんならいくらいくらよこせって、会社側じゃ大分ごてたんだっていうじゃありませんか」
「歌舞伎も何とかならなくちゃならない時代になってます。ともかく生きてる人間がきょうの飯をくってやっていることなんですから」
「歌舞伎生えぬきの人がああいう心もちになってるんだものなア」
「案外、云わせてみりゃ、ああいうところじゃないんですか」
「なんせ、あの世界はあんまりかたまりすぎちまっていてね。いいかげんあきらめのいいやつでも、こっちへ来て万事のやりかたを見りゃ、目がさめますよ、おいらも人間だったんだってね、同じ役者であってみれば、こういうこともあってよかったんだぐらい、誰だって思ってるでしょう」

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