GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 宮本百合子 『道標』
現代語化
「場所はいいけど……ちょい複雑すぎン?」
「あたしにはほめられンだわ」
「――場所は便利だし、部屋もいいけど、やっぱ旅人だし」
「自分らの金で家具買うなんて無理よ」
「なんで? ――あたしたちが家具を買うってことは、また売れるって意味なんだよ。いい値段で交換でけねえもんを、家具なんて呼ばねえのよ」
「どっちみち、今すぐ決められないよ」
「二日くらい時間ください? ――こっちも」
「その間に、もっと希望に合ったとこが見つかるかもしんないし」
「オッケー」
「じゃあ二後日――」
「ぜひ――一緒に住めるようになったらイリーナも喜ぶわ」
「あの女って一七年って何が意味あんのかなぁ」
原文 (会話文抽出)
「さて、どうするかね、ぶこちゃん」
「場所はいいが……ちっと複雑すぎるだろう」
「わたしには、とてもあの子をほめきれないわ」
「――場所は私たちにとって便利だし、室もいいけれども、何しろわたしたちは旅行者ですからね」
「家具を自分たちで負担するのは、無理なんです」
「どうしてでしょう。――わたしたちが家具を買う、というときは、いつもそれが、また売れるということを意味しますのよ。そして、私たちは実際、いい価で交換出来ないような品物を、家具とはよばないんです」
「いずれにせよ、即答はお互に無理でしょう」
「二日ばかり余裕をおいて、返事することになすったら?――こちらにしろ」
「その間に、非常に希望する借りてを見つけなさるかもしれませんしね」
「結構ですわ」
「では二日のちに――」
「どうぞ――御一緒に暮せるようになったらイリーナもよろこびますわ」
「ああいう女のひとにとって一七年はどういう意味をもっているんでしょうねえ」