林不忘 『丹下左膳』 「お爺ちゃん! あたいだよ、安公だよ! 泰…

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青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』

現代語化

「じいちゃん! 安だよ、安公だよ! 泰軒じいさんも一緒に来たよ。江戸からあんたに会いに来たんだ。開けてよ」
「おお安か! これはこれは、泰軒先生も」
「いろいろ話は後で」
「早速だけど、お美夜とお蓮って、ここには来てない?」
「何、お美夜とお蓮も日光に?……なるほど!」
「そう言えば、母娘の旅人たちが人柱に捕まったって聞いたけど、もしかして――」
「それなら俺たちも嬉しすぎる。一刻も早く助け出さなきゃ……でも、どこに閉じ込めてるのか」
「あ、大変だ大変だ! 山火事じゃないかしら」
「町が騒がしい――うむ! この混乱の中を探せば、ひょっとしたら見つかるかもしれない」
「とにかく、時間がない」
「おい足曳、俺とお前はだいぶ長い間一緒に暮らして、お互いのことよく知ってるよな。今、俺の娘と孫娘が人柱にされそうになってるんだ。ちょっと協力してくれや……」
「うむ、いい考えだ!」

原文 (会話文抽出)

「お爺ちゃん! あたいだよ、安公だよ! 泰軒小父ちゃんもいっしょだよ。江戸からお前をたずねて来たんだ。あけてくんねえ」
「おお安ッ! これはこれは、泰軒先生も」
「さまざまの話はあととして」
「さっそくじゃが、お美夜坊とお蓮はここにたずねてこんかったかな?」
「ナニ、お美夜とお蓮も、この日光へ来ているのじゃと?……ははあ!」
「思い当たることがありますわい。母と娘の旅の者を、人柱に捕えたということを聞いたが、さては――」
「サ、われらがうれうるもそのこと。一刻もはやく救い出さねば……と申して、どこにかくされているものやら」
「あッ、たいへんだたいへんだ! 山火事じゃないかしら」
「町はさわぎらしい――ウム! このどさくさにまぎれて探せば、ひょっとすれば、知れぬこともあるまいと思われるが」
「とにかく、一刻をあらそう場合」
「これ! 足曳や、われとおらあながいあいだ、ひとつ屋根の下に暮らして、たがいに気心も知り合ったなかだ。今おれの娘と孫娘が、むごたらしく人柱にされようという瀬戸ぎわだ。一つ、存分に働いてくれよなア……」
「うむ、これは思いつき!」

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