林不忘 『丹下左膳』 「お爺ちゃん、チョビ安さんのためなら、あた…

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青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』

現代語化

「おじいちゃん、チョビ安さんのためなら、どんなに寂しくても我慢できるよ。ねぇ、日光にお馬を彫りに行ってよ」
「おい、作爺さん、それはダメだぜ。そんなにまで俺のことを思ってくれるのは嬉しいけど、今お前がいなくなったら、お美夜ちゃんは一人ぼっちになっちゃうじゃないか。俺の親のことなんかどうでもいいから、その日光の話はどうでもいいから、断ってくれよ。ねぇ、作爺さん」
「田丸殿、迎えの駕籠が待ってるそうです」
「泰軒さん、色々とお世話になって、ありがとうございました。ついでにお願いがあるんですが、この二人の面倒を見ていてください。先生」
「これはまた、性急ですね。もう出発ですか。いや、分かりました。後のことは心配しないでください……田丸殿が約束を守れば、安の両親はすぐに分かるでしょうし、お美夜は、この泰軒が娘のように面倒を見るつもりで――」

原文 (会話文抽出)

「お爺ちゃん、チョビ安さんのためなら、あたし、どんなさびしい思いもがまんするわ。ね、日光へお馬を彫りに、行ってちょうだいね」
「おウ作爺さん、それはおめえ、とんだ心得ちげえだぜ。そんなにまで、おいらのことを思ってくれるのはありがてえが、いまおめえがいなくなったら、お美夜ちゃんにゃア一人の身寄りもなくなるじゃアねえか、おいらの父やお母のことなんか、どうでもいいから、その日光の話とやらを、ポンと蹴っておくれよ。ナア、作爺ちゃん」
「田丸殿、迎えの駕籠が、待たせてあるとおおせられたな」
「泰軒どの、何やかやと、長いあいだ親身も及ばぬお世話にあいなった。御迷惑ついでに、それでは、この二人の面倒をお願いいたしまするぞ。泰軒先生」
「これはまた、気の早い。もう御出発か。イヤ、心得た。あとのことは御心配なく……田丸殿さえ言葉をたがえねば、安の両親はおっつけ知れるであろうし、お美夜ちゃんは、及ばずながらこの泰軒が娘と思って――」

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