林不忘 『丹下左膳』 「田丸様の若党と申したな。しかとそれに相違…

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青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』

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「田丸様の家来だと申したな。それで間違いはないか?」
「申し訳ありません。私は田丸様の命令を受けて国へ帰る途中……持っていた壺を何者かに盗まれてしまって――」
「貴様の言ってることが、さっぱり分からんぞ。壺がどうしたとかいうのは、気にしなくていい」
「とんでもないことを言うな。あの主水正が、本物のこけ猿を家来一人に持たせて送ってくるわけないだろ。そんなものは盗まれても大したことない。それより、主水正から言い付けられた使いの言葉を伝えろ。言葉を発せい」
「へ?」
「へぇ、遅くなりまして申し訳ありません。田丸主水正のおっしゃるには、壺の大金は見つかったそうです。それも、今の麻布の林念寺前のお上屋敷の庭の隅に、確かに埋めてあるとのことです。私が江戸を出る日には、その場所に塀を巡らせて、誰も近づけさせずに、殿のご到着をお待ちしています……」
「なんだって、財宝が見つかったと?」
「上屋敷の隅に、ですか?」

原文 (会話文抽出)

「田丸様の若党と申したな。しかとそれに相違ないか」
「申しわけござりません。手前は、田丸様の御命を奉じ、お国おもてへたち帰ります途中……持ったお壺を何やつとも知れぬ者にうばわれまして――」
「貴様の話は、サッパリわからぬぞ。壺がどうしたとやら申すが、そんなことは気にかけんでもよい」
「馬鹿なことを申せ、あの主水正が、ほんもののこけ猿を若党一人にかつがせてよこすわけはないッ。さようなものは盗まれても大事ない。それより、主水正より言いつかった使いの口上があるであろう。口上を言え口上を」
「ヘ?」
「ヘェ、申し遅れましてあいすみません。田丸主水正のおっしゃるには、壺の大金はみつかった、それも、ただいまの麻布林念寺前のお上屋敷のお庭隅に、確かに埋ずめてあると申すことで、私が江戸を離れます日には、その場所に玉垣を結いめぐらし、人を近よらしめずに、殿の御出府をお待ち申しておりまする……」
「ナニ、財宝が見つかったと?」
「上屋敷の隅に、ハテナ?」

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