林不忘 『丹下左膳』 「源三、こんなに女の子に思われるのは、あだ…

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青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』

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「源三郎、こんなに女の子に惚れられるのは、大変なことなんだぜ……」
「でも困ったな。今ここで萩乃を置いていかれても……まぁ、左膳、頼むから、もうちょっと俺と一緒にいてくれ」
「いても、萩乃さんの邪魔になる。この人がお前をどれだけ想ってるか――それを考えたら源三郎、なぁ、早く体を治して、うまくあそこに乗り込んでくれよ。なぁ、そのときは俺、丹下左膳、大手を振って遊びに行くから、ハハハハ」
「こ、これ、あなたも一緒に、左膳を止めてください」
「私が危ないところを助かったのは、みんなこの左膳のおかげだ。穴の底から三方子川に浮かび上がれたのも、また、この家の主人の漁師六兵衛に救われたのも、みんな左膳がいたからこそだ。萩乃、心から左膳に礼を言ってくれ」
「何から何まで、本当にありがとうございました。源三郎様のことといい、今夜のことといい、ご恩は一生忘れません」
「いや、萩乃さん、あなたにそう言われただけで、俺は、それ以上のことは望まない。元気な源三郎の顔が見られて、嬉しいだろうな萩乃さん」
「は、はい……」
「ははははは、そうだろうなぁ。大事にしてあげなさいよ。源三郎、行くぞ」
「さ、さ、左膳。ど、どこへ行く?」
「どこへ? それは俺にも分かんねぇ。この腰の濡れ燕に聞いてくれ」

原文 (会話文抽出)

「源三、こんなに女の子に思われるのは、あだやおろそかなことじゃアねえぞ……」
「しかし、弱ったなあ。今ここへ萩乃を置き去りにされても……マア、左膳、頼むから、もうすこしおれといっしょにいてくれ」
「いたくても、萩乃さんの邪魔になる。このひとがどんなにおめえを恋いしたっているか――それを思ったら源三、な、すこしもはやくからだを丈夫にして、首尾よくあの道場を乗っ取れよ。なア、そのときあこの丹下左膳、大手を振って遊びにゆくぞ、ハッハッハ」
「こ、これ、あなたもいっしょに、左膳を止めてください」
「私があぶないところを助かったのは、みなこの左膳のおかげだ。穴の底から三方子川へ浮かびあがることのできたのも、また、この家のあるじ漁師六兵衛に救われたのも、みんな左膳がいたればこそだ。萩乃、こころから左膳に礼を言ってくれ」
「なにから何まで、ほんとうにありがとうございました。源三郎様のことといい、今夜のことといい、御恩は生涯忘れはいたしません」
「イヤ、萩乃さん、あんたにそう言われただけで、おれは、このうえの満足はない。無事な源三の顔が見られて、うれしいだろうなア萩乃さん」
「ハ、はい……」
「ははははは、そうだろうなあ。大事にしてあげなさいよ。源三、行くぜ」
「さ、さ、左膳。ド、どこへゆく?」
「どこへ? それはおれにもわからぬ。この腰の濡れ燕にきいてくれ」

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