林不忘 『丹下左膳』 「泣きなさんな。なア、おめえさん、源三郎を…

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「泣くなよ。なぁ、お前、源三郎を思ってるんだろ?その恋しい源三郎に、会わせてやんよ。俺が手引きして……」
「え?」
「驚くことねぇよ。まさかお前まで、あの丹波とかと一緒に、源三郎はもう死んだと思ってたわけじゃねぇだろう――なぁ、江戸中の人が、みんな源三郎を死んだと思っても、萩乃さん、お前だけは、どこかに生きてると信じてたんだろ」
「あの、それじゃあ、アノ、源三郎様はご無事で……わぁ! ところで、どこに?」
「フフン、お前を源三郎に会わせようと思って、俺ぁこっそり道場に忍び込んでたんよ。源三郎もお前のこと――」
「え? じゃ、あの人も、この私を?」
「まぁな、あいつもお前のこと、思ってると思うよ。俺の推測だけど――何しろ、口を聞かない野郎だから、あの伊賀の暴れん坊の気持ちは、誰にも分からねえ」
「はい……」
「さ、立ち上がれよ。ちょっと遠いけど、俺が案内してやんよ。こっち来い」
「なぁに、あの化け物。侍、どこ行った」
「そいつ、逃がすなよ」
「なんだ、俺が見つけて、ぶった斬ってや――」

原文 (会話文抽出)

「泣きなさんな。なア、おめえさん、源三郎を思っていなさるだろう。その恋しい源三に、会わしてやろうじゃアねえか。おいらが手引きを……」
「え?」
「え?」
「何もおどろくことはねえ。まさかおめえさんまで、あの丹波などといっしょになって、源三郎はもう死んだものと思っていたわけじゃアあるめえが――なア、江戸じゅうの人間が、みんな源三郎をなきものときめてしまっても、萩乃さん、おめえだけは、どこかに生きていると信じていたことだろう」
「あの、それでは、アノ、源三郎様は御無事で……まあ! シテ、どちらに?」
「ウフン、おめえを源三郎にあわせてえと思って、おれアこっそり道場へまぎれこんでいたんだ。源三郎もおめえさんのことを――」
「え? では、あのお方も、このわたくしのことを?」
「マアさ、あいつもおめえのことを、おもっているだろうと思うんだ。これアおいらの推量だが――何しろ、口をきかねえ野郎だから、あの伊賀の暴れん坊の胸のうちだけは、誰にもわからねえ」
「ハイ……」
「サア、お起ちなせえ。すこし遠いが、おいらが案内役だ。こう来なせえよ」
「うぬ、あの化けもの。侍、いずくへまいった」
「ソレ、とりにがしてはならぬぞ」
「ナニ、拙者が見つけて、一刀両断に――」

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