GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』
現代語化
「いや、これは降参した」
「この壺に秘図が入っていないとなると、柳生の埋蔵金自体が怪しい話なんじゃないでしょうか?」
「そう…かもしれません」
「かもしれませんじゃないぞ、愚楽。柳生はあの武辺一方の貧乏藩なのに、先祖が隠した大金がある。それをそのままにしておくのは危険だから、日光を当てて吐き出させてしまえ――なんて、そう進言したのは、愚楽、貴方じゃないか?」
「へえ、上様のおっしゃるとおりで」
「へえじゃないぞ。それで、柳生の金魚を殺したわけだが、日光を当てられた柳生では、一風という茶師の言葉を頼りに、それ以来、死に物狂いでこのこけ猿の壺の行方を捜してきた…それが、壺を開けてみればただの空気が入ってるだけとは、愚楽、これは全部貴様の責任だぞ」
原文 (会話文抽出)
「どうです、上様。底に種仕掛けはございますまい」
「イヤ、これは降参いたした」
「この壺に秘図が入っておらんとなると、柳生の埋宝それ自身がちとあやしい話じゃな」
「そう……かもしれません」
「かもしれんではないぞ、愚楽。柳生はああいう武弁一方の貧乏藩じゃが、先祖の隠した大金がある。それをそのままにしておいては危険じゃから、日光を当てて吐き出させてしまえ――と、余に向かってそう進言したのは、愚楽、其方ではないか」
「ヘエ、上様のおっしゃるとおりで」
「ヘエではないぞ。それで、ああして柳生の金魚を死なしたのじゃが、日光をふり当てられた柳生では、一風とやら申す茶師の言を頼りに、それ以来、死にもの狂いでこれなるこけ猿の壺の行方をさがし求めてきた……これ、その壺をいまあけてみれば、ただ空気がはいっているだけとは、愚楽、これはすべて貴様の責任だぞ」