林不忘 『丹下左膳』 「――――?」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』

現代語化

「――――?」
「例の品でしょうか、越州殿」
「ああ、そうだよ」
「おお、どうして手元に?」
「あいつ泰軒が引き受けたからには、失敗するわけないんだ」
「ところで、その泰軒はどうやって、どこから壺を入手したんですか?」
「それは…小娘が使いになって持って来ただけで、詳しくは分かりませんが――」
「あなた、壺を開けて見ましたか?」
「うん、開けてみた」
「それで、紙切れは?埋蔵金の場所が書かれた古地図は?」
「中にはありませんでした」
「ない?――壺の中にない…そうなると?」
「壺に何かを隠すなら、壺の中に入ってるはずです。その壺の中にないんだったら、これは――ないんじゃないですか?」
「私も最初はそう思いましたが…」
「待った!」
「ははあ、そうか。なるほど、そうか――」

原文 (会話文抽出)

「――――?」
「例の品でござるか、越州殿」
「まあ、さようで」
「ホホウ、どうしてお手に?」
「かの泰軒が引き受けた以上、成らぬということはありませぬ」
「シテ、その泰軒は、いかなる手段により、いかなる方面より壺を入手したものでござろうのう」
「サア、それは……小娘が使者となって持ってきただけで、委細のことはわかりませんが――」
「貴公、壺をひらいてごらんになったか」
「ウム、いかにもあけてみました」
「して、紙片は? 埋宝の所在を示す古図は?」
「中にはござらぬ」
「中にない?――壺の中にない……とすると?」
「サ、そこでござる、御老人。壺の中にないとすれば?」
「壺に物をかくすとすれば、壺の中にきまっておる。その壺の中にないならば、こりゃ――ないのであろう」
「と、拙者も最初は考えましたが……」
「待った!」
「ハハア、そうか。なるほど、そうか――」


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