GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 林不忘 『丹下左膳』
現代語化
「はい、それが、夜中に一人歩いてたんで不審に思って、門のところで捕まえたんですが、なんと殿にお目にかかりたいって言うもんですから、重内も作三郎も困り果てて、とりあえず用人部屋まで連れてきたんですけど」
「俺に会いたいって?」
「はい、ただ、お奉行様にお目にかかりたいって言うだけで、あとは何を聞いてもシクシク泣いてます」
「どんな娘だ?」
「貧乏な町人の娘で――何か大きな箱を背負ってます。壺だって言うんですけど」
「壺だって?」
「なんで早くそれを言わねえんだ」
「は?」
「いや、なんで早く壺のことを言わないんだって聞いてるんだ。庭に連れてこい」
「じゃ、あの、殿、ご自身で会うんですか?」
「庭に連れてこいって言ってるんだ」
「泰軒の使いじゃな」
「殿、連れてきましたけど――」
原文 (会話文抽出)
「ナニ、女の子だと?」
「ハイ、それが、この夜ふけに一人歩いておりますので、不審を打ち、木戸へさしかかりましたところを、取り押えましたところが、奇怪にも、殿にお眼通りを願ってやまぬと申すことで、重内も作三郎も、ホトホトもてあまし、とにかく用人部屋まで連れてまいっておりますが」
「余に会いたい?」
「はあ、ただ、お奉行様にお目にかかるんだと申すだけで、あとは何をきいても、シクシク泣いております」
「どんな娘じゃ」
「貧乏な町家の娘で――何やら大きな箱を背負っております。壺だとか申すことで」
「壺じゃと?」
「なぜ早くそれを言わぬ」
「はア?」
「イヤ、なぜ早く壺のことを言わぬと申すのじゃ。庭へまわせ」
「では、あの、御自身お会いになりますので?」
「庭へまわせというに」
「泰軒の使いじゃな」
「殿、連れてまいりましたが――」