太宰治 『斜陽』 「音、とても悪いの? バリバリ聞えてるの?…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 太宰治 『斜陽』

現代語化

「音、すごく悪い? バリバリ聞こえてるの?」
「右も左も、全部」
「だって、お母さん、まだ元気なんじゃない。ご飯も、美味しい美味しいって言って、……」
「仕方がないよ」
「嘘だわ。ねえ、そんなことないんでしょ? バターやお肉やお魚をたくさん食べたら、治るんでしょ? 身体に抵抗力がついたら、熱だって下がるんでしょ?」
「うん、とにかく、たくさん食べることだよ」
「ねえ? そうでしょ? トマトも毎日、五個くらいは食べてらっしゃるんでしょ」
「うん、トマトはいい」
「じゃあ、大丈夫ね? 治るわね?」
「でも、この病気は命取りになるかもしれないよ。そのつもりでいて」
「二年? 三年?」
「わからない。とにかくもう、どうすることもできない」

原文 (会話文抽出)

「音、とても悪いの? バリバリ聞えてるの?」
「右も左も全部だ」
「だって、お母さまは、まだお元気なのよ。ごはんだって、おいしいおいしいとおっしゃって、……」
「仕方がない」
「うそだわ。ね、そんな事ないんでしょう? バタやお卵や、牛乳をたくさん召し上ったら、なおるんでしょう? おからだに抵抗力さえついたら、熱だって下るんでしょう?」
「うん、なんでも、たくさん食べる事だ」
「ね? そうでしょう? トマトも毎日、五つくらいは召し上っているのよ」
「うん、トマトはいい」
「じゃあ、大丈夫ね? なおるわね?」
「しかし、こんどの病気は命取りになるかも知れない。そのつもりでいたほうがいい」
「二年? 三年?」
「わからない。とにかくもう、手のつけようが無い」


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