島崎藤村 『夜明け前』 「長くお世話になった旦那様に、金でお別れを…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』

現代語化

「お世話になったオヤジに金払ってサヨナラなんて、ダサいよな〜。でも、しょうがねえのさ。伊之助、ちょっと品良く見てみなよ。」
「オヤジ、ここに『宗紫山』って書いてあるじゃん。」
「コレ、中国人の描いたやつかな?『宗紫山』って聞いたことねえぞ。」
「僕もよくわかんないわ。」
「まあ、古いもんだし、絹地だし。気に入んなくてもいいから、もらいとけよ。これも恩返しさ。」
「ところで、オヤジ、コレいくらで買ったの?」
「うーん、これくらいは出さねえとな。」
「五両?」

原文 (会話文抽出)

「長くお世話になった旦那様に、金でお別れを告げるようで、なんだか水臭いな。水臭いが、これも時世だ。伊之助――品はよく改めて見ろよ。」
「お父さん、ここに落款が宗紫山としてありますね。」
「これはシナ人の筆だろうか、どうも宗紫山とは聞いたことがない。」
「さあ、わたしにもよくわかりません。」
「何にしろ、これは古い物だ。それに絹地だ。まあ、気に入っても入らなくても、頂いて置け。これも御恩返しの一つだ。」
「時に、お父さん、これはいくらに頂戴したものでしょう。」
「そうさな。これくらいは、はずまなけりゃなるまいね。」
「五両。」


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