GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』
現代語化
「だから、休む人は馬籠でも分けますよ。そのうち連絡が来るでしょ。そうしたら、大体見当がつきます。得右衛門さんも馬籠へ打ち合わせに行きますよ」
「なのに、妻籠に割り当てられた松明が3000本だ。村の人、愚痴ばっかりこぼしてるよ」
「どうせ馬籠じゃ、そんなに要らないでしょ。松明も分けますよ」
「もう帰るんですか」
「この大火のあとで、よくここまで工事が進みましたよね」
「みんな必死ですよ。高札下から火が出て、西側は西田まで燃えた。東側は山本屋で消し止めた。こんな大火は俺が覚えてる限り初めてだ。でも、村の人たちのやる気って、すごいよ」
「半蔵さん、世の中もすごく変わっていきますよね。どうなるのか、さっぱり見当もつかない」
「まあ統一してから考えましょう」
原文 (会話文抽出)
「半蔵さん、今度という今度はわたしも弱った。東山道軍が見えるにしたところで、君の方はまだいい。昼休みの通行で済むからいい。妻籠を見たまえ、この大火のあとで、しかも総督のお泊まりと来てましょう。」
「ですから、当日の泊まり客は馬籠でも分けて引き受けますよ。いずれ御先触れが来ましょう。そうしたら、おおよそ見当がつきましょう。得右衛門さんでも馬籠の方へ打ち合わせによこしてくださるさ。」
「おまけに、妻籠へ割り当てられた松明も三千把だ。いや、村のものは、こぼす、こぼす。」
「どうせ馬籠じゃ、そうも要りますまい。松明も分けますよ。」
「もうお帰りですか。」
「あの大火のあとで、よくそれでもこれまでに工事が始められましたよ。」
「みんな一生懸命になりましたからね。なにしろ、高札下から火が出て、西側は西田まで焼ける。東側は山本屋で消し止めた。こんな大火はわたしが覚えてから初めてだ。でも、村の人たちの意気込みというものは、実にすさまじいものさ。」
「半蔵さん、世の中もひどい変わり方ですね。何が見えて来るのか、さっぱり見当もつかない。」
「まあ統一ができてからあとのことでしょうね。」