GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』
現代語化
「じゃ、お手数ですが、こっから中津川の浅見景蔵さんにお届けください。道中荷物になって、ご迷惑でしょうが」
「ちょっとお客さんに会ってもらえますか?」
「いい色に染まりましたよ」
「こりゃいい黒だ」
「京都の水じゃなきゃ、この色は出ません。江戸紫って言うくらいだから、江戸の水は紫に合うし、京都の水はまた赤によく合います。京都紅って言うくらいですからね。この羽織の黒も下染めには赤を使ってます」
「確かに」
原文 (会話文抽出)
「御誂、伊勢久」
「では、恐れ入りますが、これを中津川の浅見景蔵さんへ届けていただきたい。道中のお荷物になって、お邪魔でしょうけれど。」
「ちょっとお客様にお目にかけるか。」
「よい色に上がりましたよ。」
「これはよい黒だ。」
「京の水でなければこの色は出ません。江戸紫と申して、江戸の水は紫に合いますし、京の水はまた紅によく合います。京紅と申すくらいです。この羽織地の黒も下染めには紅が使ってございます。」
「確かに。」