GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』
現代語化
「それは俺に聞くことだろう。」
「昨日は福島からお客さんが来てましたよ。あのあたりは今、お札が降ってる真っ只中だって言ってましたっけ。」
「降ってる最中は良かった。」
「世の中が大きく変わる時には、このくらいの瑞兆があってもいいなんて、そんなことをさももっともらしく言いふらす奴もいますよ。なんか俺は狐にでも化かされたような気分です。」
「でも、寿平次さん、馬籠あたりの百姓はこの十年来お祝いなんてしたことありませんよ。まあ、祝いたい奴は祝えばいい、俺はそう見てるだけです。」
原文 (会話文抽出)
「半蔵さん、この騒ぎは何事です。」
「それは君、わたしの方から言うことでしょう。」
「きのう福島から見えた客がありましてね。あの辺は今、お札の降る最中だと言っていましたっけ。」
「降る最中はよかった。」
「世の中が大きく変わる時には、このくらいの瑞兆があってもいいなんて、そんなことをさももっともらしく言い触らすものもありますぜ。なんだかわたしは狐にでもツマまれたような気がする。」
「しかし、寿平次さん、馬籠あたりの百姓はこの十年来祝うということを知りませんでしたよ。まあ、みんな祝いたければ祝え、そう言ってわたしは見ているところです。」