島崎藤村 『夜明け前』 「いや、万事首尾よく済みました。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』

現代語化

「いやあ、全部うまく終わりました。」
「式のあとには、剣の舞とか鎮魂の歌とかもあったみたいですね。それにしても、伊那の谷としては珍しいお祭りだったでしょう。行って見ると、京都の五条家から翠簾が奉納されて、平田家からは蔵版書物の板木を馬に何駄も寄付してきてたっていう賑やかさですよ。なんで半蔵さんは来ないのかって、伊那の人たちはみんな残念がってましたよ。」
「せめて、あの晩の行列だけでも半蔵さんに見せたかったなあ。」
「松尾さんのお母さん(多勢子)もわざわざ京都から来てましたし、まだ他にも女性が三、四人参加してましたよ。あの女性たちはみんな短刀を帯に挟んで、御霊代のお供をしてました。人目を引いてましたよ。」

原文 (会話文抽出)

「いや、万事首尾よく済みました。」
「式のあとでは、剣の舞もあり、鎮魂の雅楽もありました。何にしろ君、伊那の谷としてはめずらしい祭典でしょう。行って見ると、京都の五条家からは奉納の翠簾が来てる、平田家からは蔵版書物の板木を馬に幾駄というほど寄贈して来てるというにぎやかさサ。どうして半蔵さんは見えないかッて、伊那の衆はみんな残念がっていましたよ。」
「せめて、あの晩の行列だけは半蔵さんに見せたかった。」
「松尾さんのお母さん(多勢子)も京都からわざわざ出かけて来ていましたし、まだそのほかに参列した婦人が三、四人はありました。あの婦人たちがいずれも短刀を帯の間にはさんで、御霊代のお供をしたのは人目をひきましたよ。」


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