三遊亭圓朝 『名人長二』 「まことにお気の毒な事で、何とも申そう様が…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『名人長二』

現代語化

「本当に気の毒なことで、なんてお声をかけたらいいかわかりません、きっともう耳に入ってますよね、ご自宅に出入りしていた指物屋が金に目がくらんで殺したんだそうですよ」
「ふむ、とんでもない奴で……本当に金は恐ろしい世の中です、そこで私はその敵に会おうと出かけてきたのですが、この有様で困り果ててこちらへお金を借りに出向きまして、どうか何卒よろしくお願いします」
「はい、せっかくのお申し出ですが、今はまったくお金がなくて、とても」
「そうですか、では手元におありにならないなら、どこからでも工面していただけませんでしょうか、利息を差し引いても構いませんので」
「ああ、それはあなたのご事情ですから、工面ができれば何としても協力させていただきますが、今このご時世では残念ながら見当が」
「そのあたりをどうにかお願いいたします」

原文 (会話文抽出)

「まことにお気の毒な事で、何とも申そう様がございません、定めてお聞でしょうが、お宅へお出入の指物屋が金に目が眩れて殺したんですとサ」
「ふーむ、不埓千万な奴で……実に金が敵の世の中です、然るに愚老は其の敵に廻り逢おうと存じて出府致した処、右の次第で当惑のあまり此方へ御融通を願いに出たのですから、何卒何分」
「はい、折角のお頼みではございますが、此の節は実に融通がわるいので、どうも」
「でもあろうが、お手許に遊んで居らんければ他からでも御才覚を願いたい、利分は天引でも苦しゅうないによって」
「ハア、それは貴方のことですから、才覚が出来さいすれば何の様にも骨を折って見ましょうが、何分今が今と云っては心当りが」
「其処を是非とも願うので」


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