GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『名人長二』
現代語化
「だからこんな山奥に来てる人がいるんだよ」
「本当だよね。怪我しない限り来ないようなところなのに、実際に来てみると怪我人が結構いるんだな」
「伊豆と相模は石山が多いから、石切職人がよく怪我をするんだって。ここに見える怪我人はほとんどが石切だって。どんな怪我でも一週間か二週間で治るんだって。便利だよね。怪我をよくするようなところに、こういう温泉が湧いてるのは」
「それが天の摂理ってことなんだろうね。世の中って何でもそういうふうにうまくできてるのに、人間が余計な世話をして面倒くさくしちゃってるんだよ」
「いいこと言うね。感心だ」
「そうだ、温泉に来る途中で、船から上がって休憩したところってなんて名前だったかな?」
「景色がいい浜辺のところ?」
「そうそう」
「あれは吉浜っていうところだよ」
「それからご飯を食べた家はなんて名前だったっけ?」
「橋本屋だよ」
「そうか、橋本屋だ。あそこで食べた※の煮込みは本当においしかったなあ」
「魚が新鮮で、船で食べたご飯が臭かったから余計にね」
原文 (会話文抽出)
「長兄い……不思議だな、一昨日あたりからズキ/\する疼みが失ってしまった、能く利く湯だなア」
「それだから此様な山ん中へ来る人があるんだ」
「本当に左様だ、怪我でもしなけりゃア来る処じゃアねえ、此処え来て見ると怪我人もあるもんだなア」
「ムヽ、伊豆相模は石山が多いから、石切職人が始終怪我をするそうだ、見ねえ来ている奴ア大抵石切だ、どんな怪我でも一週か二週で癒るということだが、好い塩梅にしたもんじゃアねえか、そういう怪我を度々する処にゃア、斯ういう温泉が湧くてえのは」
「それが天道人を殺さずというのだ、世界の事ア皆んな其様な塩梅に都合よくなってるんだけれど、人間というお世話やきが出てごちゃまかして面倒くさくしてしまッたんだ」
「旨い事を知ってるなア、感心だ」
「旨いと云やア、それ此処え来る時、船から上って、ソレ休んだ処ア何とか云ったっけ」
「浜辺の好い景色の処か」
「左様よ」
「ありゃア吉浜という処よ」
「それから飯を喰った家は何とか云ったッけ」
「橋本屋よ」
「ムヽ橋本屋だ、彼家で喰った※の煮肴は素的に旨かったなア」
「魚が新らしいのに、船で臭え飯を喰った挙句だったからよ」