GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『路上』
現代語化
「いや、可哀想なの。」
「俺は嫌だよ。」
「可哀想じゃないと思うの?」
「可哀想かどうかはわかんないけど――とにかくあいつがそんなことしてるの、見たくないの。」
「あの人は考えないの?」
「自分のことの方が大事でしょ。」
「薄情ね。」
「薄情かもしれないけどさ。でも自分の関係あることだったら――」
「親切なの?」
「じゃあさ――あっちの病室行ってみる?」
原文 (会話文抽出)
「どうしたのです。気味が悪いんですか。」
「いいえ、可哀そうなの。」
「僕は不愉快です。」
「可哀そうだとは御思いにならなくって?」
「可哀そうかどうかわからないが――とにかくああ云う人間が、ああしているのを見たくないんです。」
「あの人の事は御考えにならないの。」
「それよりも先に、自分の事を考えるんです。」
「薄情な方ね。」
「薄情かも知れません。その代りに自分の関係している事なら――」
「御親切?」
「今度は――と、あちらの病室へ行って見ますか。」