芥川龍之介 『路上』 「あれば勿論指摘したろう。が、なかったのだ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『路上』

現代語化

「言えって言われたら言ったけど、なかったんだからしょうがないよ。」
「でも天才ってのは天才だけど、やっぱおかしい奴じゃん。」
「そういう分け方だと、妄想狂とか被害妄想狂とかにもあるよな。」
「それは違うよ。」
「いや、一緒でしょ。確かに天才ってのは凄いかもしれんけど、狂人ってのはダメに決まってる。でもその違いってのは、俺らが勝手に決めてるだけでしょ。元々あるわけじゃないじゃん。」

原文 (会話文抽出)

「あれば勿論指摘したろう。が、なかったのだから、やむを得ない。」
「しかし天才は天才だが、気違いはやはり気違いだろう。」
「そう云う差別なら、誇大妄想狂と被害妄想狂との間にもある。」
「それとこれと一しょにするのは乱暴だよ。」
「いや、一しょにすべきものだ。成程天才は有為だろう。狂人は有為じゃないに違いない。が、その差別は人間が彼等の所行に与えた価値の差別だ。自然に存している差別じゃない。」


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