元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏の暴露により、米国の情報収集活動が 問題になっています。 私見ですが、オバマ大統領が2008年、大統領選挙活動中に、外国諜報監視法(FISA)の 修正法案に関し、反対から賛成に意見を変えた際に、支持者との間で騒動が起こり、 行政の権力乱用の防止を高い優先順位をもって取り組む旨表明していたことが、 この問題が米政府中枢に与える影響をより大きくさせているのではないかと思います。
政府の行政権の乱用に人々の注意を向けさせる手段として、一般市民の活発で 継続的な行動こそ重要なものはありません。 ―― バラク・オバマ (2008) 引用元は下記 ラハフ・ハーフーシュ=著, 杉浦 茂樹, 藤原 朝子=訳 : 「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える (阪急コミュニ ケーションズ, 2010) pp.125-127. http://homepage2.nifty.com/mukyu/books/booknet/blog-entry-3353.html −移転→ http://takagi1.net/books/booknet/blog-entry-3353.html −移転→ https://takagi1.net/books/booknet/blog-entry-3353.html 一部には、自分たちのメッセージをオバマ陣営に届けるためにグループを立ち上げた 人々もいた。なかでも最も注目を集めたのは、外国諜報監視法(FISA)の修正法案に 対するオバマの立場に反対するユーザーが立ち上げたグループだ。...この修正法案は、 市民の私的通信を傍受する大統領の権限を拡大する内容で、違法な監視に協力した 電話会社に法的免責を与えるものだった。オバマは当初、法案に反対だったが、 後に賛成する立場を明らかにした。 オバマの姿勢は多くのMyBO [*] ユーザーから怒りを買い、2008年6月には 「オバマ上院議員、電話会社の免責にノーを――正しいFISAを勝ち取ろう」[**] と いうグループが結成された。このグループはすぐに数千人のメンバーを集め、 MyBOで最大級のグループになった。... そして2008年7月3日、...オバマからの公式の反応を投稿した。... オバマは 時間をかけてFISA修正法案に賛成する理由を説明した後、次のような言葉で オンライン・コミュニティーの力を評価した。「一部の方がこの法案に対して 私と異なる見方をしていることを理解しました。また、このサイトや別の場所で こっぴどく叩かれたことをうれしく思います。あなた方の活動や積極性や情熱こそ、 この法案が修正前の法律よりも優れていることを示す重要な理由だからです」。 公式声明はさらにこう続いていた。「政府の行政権の乱用に人々の注意を向け させる手段として、一般市民の活発で継続的な行動こそ重要なものはありません。 このことは通信傍受の問題だけではなく、国民(の利益)を傷つける様々な政治の 動きについても当てはまります」 ...自分が大統領になったらFISAをどうするかについても触れ、「(新しい 司法長官に)あらゆる監視プログラムの包括的な再点検を行わせます。そして 市民の自由を守り、行政の権力乱用を防ぐために必要な措置をどんどん勧告して もらいます」。 【引用おわり】 * オバマ候補者 大統領選挙運動 公式SNS My.BarackObama.com のこと。 ** メンバー数は後に、2万3200人余りとなり、4900回余りのイベントを主催。 およそ72万7000ドルの献金を集めた。(同書 p.125.)