#マイコン博物館 展示機材のニューフェース
HITAC 10は、日立製作所が1969年に発売した、初の16bitミニコンで、ベストセラー機となりました。
コンソールタイプライタ付きで495万円
当時としては小型で低価格なコンピュータだったので、機器組み込み用、生産ラインの自動制御用など、後のワンボード マイコン的な分野でも利用されました。
本体下部にCPU部分があり、多数の基板が実装されています。
下部に2個在る四角い金属ケースが、1個 4KW(8Kbyte)の磁気コアメモリユニット。
Wは、Word=語 の意味で、16bitミニコンでは、1Word=16bit。
基本構成のメモリ容量は、4KW(8Kbyte)の磁気コアメモリユニットを1個実装でした。
4KW(8Kbyte)のメモリで、簡易型Fortran、BASICインタプリタが動作しました。
このHITAC 10では、4KW(8Kbyte)の磁気コアメモリユニットを追加で1個実装して、合計2個で8KW(16Kbyte)という大容量メモリを実現しています。
4KW(8Kbyte)の磁気コアメモリユニット 1個のお値段は、当時の値段で100万円程度と推定されます。
磁気コアメモリユニットの周辺に在る基板は、演算基板では無く、アナログ回路基板で、磁気の変化で情報を記録した、磁気コアメモリの書き込みと、読み出しを制御していると思われます。
本体下部ユニットの基板の枚数全体で見ると、CPU部分の基板、基本のコアメモリ制御基板、追加のコアメモリ制御基板が、1:1:1 ぐらいの比率で、磁気コアメモリ制御基板が多い事が解ります。
注目点は、金属ケースの磁気コアメモリユニットを、青色の空冷ダクトで強力に冷却している事です。
磁気コアメモリの書き込みと消去は、大量に在るドーナツ型の磁気コアの内側に在る、縦、横、斜めの電線に流れる電流の変化で、磁界を変化させて行います。
コアメモリユニットの書き込み時と、読み出し時には、電流が流れて、電線と磁気コアが発熱するので、発熱する磁気コアを冷やすために、強力な空冷機構が必要となりました。
大型コンピュータのメモリが磁気コアだった1960年代のコンピュータ業界の伝説が有ります。
普段は、正常に動作する大型コンピュータが、あるプログラムを走らせた時だけ、メモリエラーでシステムダウンしました。
色々と調べましたが、ハードウェアには異常は有りません。
システムダウンを引き起こすプログラムを調べたところ、プログラムの中の、ある一カ所で、猛烈な回数のループ計算を行っている事が解りました。
猛烈な回数のループ計算により、磁気コアメモリの特定の磁気コア(ドーナッツ)に、連続して読み書きが行われて、特定の磁気コアが発熱して、メモリ動作が出来なくなった事が解りました。
そこでプログラムを書き換えて、猛烈な回数のループ計算個所を分散する事で、磁気コアメモリの発熱も分散して、システムダウンを防いだそうです。
磁気コアメモリは、使われなくなりましたが「コアダンプ」などに、その名称が残っています。
posted at 12:55:53
写真を撮りなさい、それはいつか図面を埋め合わせるから。
写真を撮りなさい、それはいつか現物合わせの痕跡になるから。
写真を撮りなさい、それはいつか改造資料になるから。
写真を撮りなさい、それはいつか配管や配線のありかを示すから。
写真を撮りなさい… https://twitter.com/yone22hornet/status/1820783895648031016
posted at 12:55:08
写真を撮りなさい、それはいつか引継資料になるから。
写真を撮りなさい、それはいつか広報材料になるから。
写真を撮りなさい、それはいつか就活の材料になるから。
写真を撮りなさい、それはいつか思い出になるから。
posted at 12:55:03
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