燃料電池ワールド Vol.1172 (2012/06/04 08:30)

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□燃料電池ワールド Vol.1172
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■2012年06月04日発行

                  ◆燃料電池NPO法人PEM-DREAM
                  ◇http://www.fcworld.jp

■2012年06月01〜03日のWEB LINK NEWS
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2012/06/01 燃料電池や屋外設備のR&Dを日本に開設……ノキアシーメンスネットワークスCEO会見(RBB TODAY)

 ノキアシーメンスネットワークス(NSN)は日本市場に注目しているという。具体的にどのようなプラ ラジーブ・スーリCEOは、環境問題や災害対策のため、燃料電池や屋外設備の研究を行うラボ(伊勢原ラボ)の開設、LTE関連のプロジェクトやR&D要員の採用強化、NOCの増強などに言及した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120601-00000003-rbb-sci
※写真あり

2012/06/01 次代の力:第3部 検証・エネルギー事情/5 進化する石炭火力発電 CO2減、効率改善で注目 /広島(毎日新聞)

 瀬戸内の青い海に緑が映え、のどかな風景の広がる大崎上島町。フェリー発着場の白水港から10分ほど西に車を走らせると、中国電力大崎発電所(石炭火力・出力25万キロワット、休止中)の巨大な煙突が姿を現す。ここに新たに「石炭ガス化複合発電(IGCC)」と呼ばれる最先端技術を用いた試験プラント(17万キロワット)が来年3月着工予定だ。

 手がけるのは、同社とJパワー(電源開発)が共同出資する「大崎クールジェン」だ。石炭火力は発電効率や二酸化炭素(CO2)排出量の多さが弱点だが、その改善が期待できる技術で、中電担当者の米井健二マネジャーは「新たな電源として将来性がある」と力を込める。

 従来の石炭火力発電は、石炭を燃やして水を加熱し、発生した蒸気で蒸気タービンを回して発電する。IGCCは、石炭を細かく粉砕して炉で蒸し焼き(不完全燃焼)にし、水素や一酸化炭素など可燃性ガスを発生させる。蒸気タービンを回す一方、ガスを燃やしてタービンも回すことで、従来より効率良く発電できる。

 こうしたIGCCは世界的にも注目されており、欧州や米国では既に先行事例がある。日本でも1986年から中電を含む電力9社などが研究を進め、商用化の直前まできている。

 中電は、これとは別に、酸素と一緒に石炭を蒸し焼きにすることで可燃性ガスを効率良く取り出せる「酸素吹きIGCC」の開発を独自に進めてきた。将来的には、燃料電池と組み合わせて、3段階発電を可能にする「石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)」の開発も視野に入れる。

 ただ、大崎クールジェンの計画では、IGCC試験プラントの完成は16年度、実証試験に2年以上を要す予定で「即戦力」にはならない。総事業費900億円に上る巨大プロジェクトの成否の判明には、まだ時間がかかりそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120601-00000171-mailo-l34

2012/06/01 県:太陽光発電と省エネ設備、個人導入の補助金申請受け付け /岡山(毎日新聞)

 県は12?19日に県内の個人が太陽光発電システムと省エネ設備をあわせて導入する際の補助金申請を受け付ける。補助金額は10万円で、250件に補助する。

 補助対象になる省エネ設備は、家電製品ごとにどれだけ電力が使われているかなどがモニター表示されている「ホーム・エネルギーマネジメントシステム」▽一般家庭用燃料電池▽高効率給湯器?の3種類。申請件数が補助予定件数を超えた場合は抽選して決める。

 申し込み・問い合わせは県地球温暖化対策室(086・226・7297)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120601-00000176-mailo-l33

2012/06/01 三菱重工 業務用燃料電池市場に参入 複合発電システムに使用(産経新聞)

 三菱重工業は1日、業務用燃料電池市場に参入すると発表した。平成29年をめどに、火力発電と組み合わせた複合発電システムとして実用化する。世界最高の70%の発電効率を実現した性能をテコに、老朽化した国内火力発電の代替需要を取り込み、業務用燃料電池市場で先行する米ブルームエナジーや独シーメンスを追い上げる。

 三菱重工が開発している燃料電池は、固体酸化物形(SOFC)と呼ばれるタイプ。他の燃料電池に比べ効率が高いのが特徴で、液化天然ガス(LNG)から取り出す水素と酸素を化学反応させて発電する。

 システムの発電効率をさらに高めるため、ガスタービンと蒸気タービンと組み合わせた世界初の3段階複合発電方式として売り出す。燃料電池の排熱でガスタービンを回し、さらにこの熱を蒸気タービンで使い電気を取り出すことが可能になる。

 発電効率は、現在、火力発電の中で最高といわれる60%に比べて10%以上の上積みが図れる。このため燃料のLNG使用量も従来比3割減らすことが可能。

 課題は製造コスト。現在は1キロワット当たり200万円超で一般的な火力発電より10倍も高い。三菱重工は今後、システムの小型化や量産効果などにより、実用化段階では、価格を30万円以下に引き下げる。新エネルギー事業推進部の小林由則次長は会見で「将来的には既存の火力発電を下回る15万円を目指したい」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120601-00000567-san-bus_all

2012/06/01 VWのEV戦略…自動車を核にしたエネルギーマネジメント(レスポンス)

 30日、VWが開催した「VWグループのEモビリティ戦略」のプレゼンテーションでは、クルマだけでなくエネルギーに関する包括的なVWの考えも示された。

 VWの電動駆動担当グループ執行役員のルドルフ・クレープス氏は、「VWの電動自動車が数10万台、数100万台となったときは、充電時間をいかにコントロールするかが重要になる」と述べ、ドイツの電力需給を例に、VWの考える包括的なエネルギーシステムの姿を示した。
◆電力平準化にEVを活用

 基礎的な電力供給は一定出力の大型の発電所と風力や水力、太陽光発電などのグリーン電力が担う。しかし、それだけでは変化する市場の電力需要に対して対応できずにギャップが生じてしまう。

 この問題に対してクレープス氏は、VWグループのEモビリティと熱電力供給システム「CHP(Eco Blue)」が解決策になるというのだ。VWの「CHP」とは「コンバインド・ヒート&パワー」の略で、CNGを燃料とする2リットルエンジンであり、発電と熱を生み出す小型の発電所のようなものだ。電力需要に対して電力が足りないときは、個々の家庭で使用する「CHP(Eco Blue)」が電力を補い、そして電力が余ったときは、VWのEモビリティが受け入れるというのだ。
◆余剰電力により水を電気分解、水素とCO2でメタンを精製

 また、グリーン電力の貯蔵と使用の可能性として、アウディブランドがオフショアで投資するプランの説明も行われた。それは沖合に作られたウインドパークだ。風力で発電された電力は通常、送電線網に送られる。

 しかし、電力需要の少ないときは、あまった電力で水を電気分解して水素を製造し貯蔵する。そして電力が不足したときは、水素を燃焼させて発電する。電力を水素の形で貯蔵しようというのだ。また、一方で水素(H2)に二酸化炭素(CO2)を結合させることでメタン(CH4)を製造。こうした人工のガスをガス供給網に送ることもできるのだ。

 VWの構想は、自動車を核にしながら単に時間的なエネルギーのマネジメントにとどまらず、国や地域の枠組みを超えた壮大なスマートグリッドといえる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120601-00000007-rps-ind
※写真あり

2012/06/02 積水ハウス、日本初となるマイクログリッドのモデル街区を構築(サーチナ)

 5月28日、積水ハウスが埼玉県・JR越谷レイクタウン駅南口に、日本初の「マイクログリッドゾーン」モデル街区を構築すると発表し、5月31日に積水ハウス、東芝、埼玉県、越谷市などがモデル街区の整備について協定を結んだ。スマートハウス(モデルハウス)とスマートショップ(店舗)とを結ぶ電力・情報通信網を構築し、12月にオープンする。

 積水ハウスがスマートハウス(モデルハウス)と店舗からなる「展示場ゾーン」を企画。モデルハウス見学後、店舗にてショッピングや休憩が可能であり、訪れた人々が長期間滞在し、様々な過ごし方ができる新しいモデルハウスの形態を提案している。さらに、植栽による緑陰効果、街路灯等のLED照明利用、保水性舗装など環境に配慮したゾーン計画も進められているという。

 この「展示場ゾーン」の中に、モデル街区「マイクログリッドゾーン」が設けられる。マイクログリッドとは、ある一定のエリア内に太陽光発電設備などといった複数のエネルギー供給源と消費施設とを併設し、組み合わせて制御することで、エリア内のエネルギーの安定供給を可能とする小規模な供給網のこと。いわばエネルギーの地産地消、ネットワーク内でエネルギー循環が完結していることがその特徴となる。今回発表されたモデル街区では、積水ハウスをはじめとする住宅メーカーが太陽電池・燃料電池・蓄電池・HEMS・スマート家電などを備えたスマートハウス(モデルハウス)7棟を出展し、スマートショップ(店舗)1棟とあわせてそれぞれの建物で発電した電力を融通し合う電力・情報通信網を構築。既存の電力系統からの受電も、「マイクログリッドゾーン」で一括して行われる。今回のプロジェクトでは、取得した技術情報の成果を広く一般に発信するだけでなく、技術発表会・見学会なども開催されるという。

 太陽電池・燃料電池・蓄電池の3電池を効果的に組み合わせ、独自開発のHEMSにより自動制御する世界初のスマートハウス「グリーンファースト ハイブリッド」を軸としたスマートタウンの取り組みを進めている積水ハウス。既に、宮城県の「スマートコモンシティ明石台」、茨城県の「スマートコモンステージけやき平」において販売・入居が開始されており、今後も全国各地での展開が予定されている。今回のマイクログリッド構築への取り組みは、「スマートコモンシティ」が更なるエネルギーの自立を進める為の実証実験的な意味合いも持つであろう。かつて八戸市が市庁舎や市内の小中学校を対象にマイクログリッドの実証実験を実施していたが、実用化・事業化には至っていない。しかし今回は、スマートハウス先進企業の積水ハウスが実施するだけに、周囲の期待も非常に大きなものとなる。既存の電力系統が過去のものとなる日も近いのかもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120602-00000016-scn-bus_all

2012/06/02 独エーオン、風力発電の電力貯蔵施設を建設=不安定要因克服に一助(時事通信)

 【フランクフルト時事】独エネルギー最大手エーオンのマウバッハ技術担当取締役は、1日付の独経済紙フィナンシャル・タイムズ(FTD)とのインタビューで、風力発電から生じる余剰電力の貯蔵技術の試験設備を建設する計画を明らかにした。

 同取締役によると、風力発電の電力を電解して得た水素を、既存の天然ガス輸送網に貯蔵する仕組みで、同国北部ブランデンブルク州に約500万ユーロを投じて夏から試験設備を建設する。これまでは風力発電の生産量が多過ぎたときに電力を輸送する送電網への負荷を減らすため、発電を停止する例が増えていた。この技術を利用すれば、必要に応じてガス発電所で電力を再生産できるため、天候に左右されるという風力発電の不安定要因克服の一助になるという。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120602-00000007-jijc-biz

■海外ニュース
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<定置用電源>
●ブルーム社、デラウェア州に新工場を建設(2012年05月01日)

 ブルーム・エナジー社(Bloom Energy)は、デラウェア州ニューアークの20万平方フィートの敷地に同社の新しい製造工場の建設を始めた。この土地は2008年に閉鎖されたクライスラーの工場跡地で、2009年にデラウェア大学(University of Delaware)が購入したもの。ブルーム社は新工場でこの土地の最初のテナントとなり、同大学の先端科学技術研究センター(Science, Technology and Advanced Research:STAR)の一部を構成する予定である。大学はキャンパスを運行する2台の燃料電池バスをすでに持っている。
http://www.fuelcellinsider.org/?p=952

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