燃料電池ワールド (2002/05/16 12:30)

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□燃料電池ワールド
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■Vol.048 2002/05/16発行

                   ◆燃料電池NPO法人PEM−DREAM

                        ◇http://www.pem-dream.com/

■お知らせ
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◇NHKの番組「実用化をめざす 燃料電池の社会」いよいよ放映

 番組の題名が変わっていましたので、正式な題名を掲載しました。テレビでご覧になれなかった方は、6月8日の市民講座で、ぜひ。ディレクター・富永良治氏のお話があります。 
 1回目 5月18日(土) 19:00〜19:49 BS1
 再放送 5月21日(火) 10:00〜10:49 BS1

◇第2回燃料電池市民講座 5月18日(土)午後2時から(再掲)「燃料電池実用化推進協議会の活動」 ゲスト=燃料電池実用化推進協議会 赤松英昭氏

 燃料電池実用化推進協議会は、燃料電池の実用化・普及に向けて、課題の具体的な検討を行い、政策提言として取りまとめ、会員企業自ら課題解決の努力を行うとともに国の施策への反映を図る活動を行っている。この日は、その具体的な活動内容や組織の現状とともに、国の実証試験プログラムについての最新の情報もお話しいただきます。

・第3回燃料電池市民講座 6月8日(土)午後2時から(再掲)
「テレビ番組の製作現場で見た燃料電池」 ゲスト=(株)NHK中部ブ レーンズ
 富永良治氏
両日ともに、
○場 所 岩谷産業株式会社本社会議室(新橋駅から徒歩10分くらい。地図をお送りします)
○参加費 会員は無料。非会員は2000円。
○申し込み方法 メールまたはFAXにて、「第○回燃料電池市民講座」と明記の上、氏名、連絡先、電話番号をご記入の上、お送り下さい。
  メール info@pem-dream.com  FAX 03-5408-3252

◇メルマガ創刊1年目の記念プレゼント(再掲)

 連休はメルマガの休刊があるので、ホッとしながら忙しくしていたら、『燃料電池ワールド』が1年を過ぎていたのに気が付いた。「何かしなくちゃ」と考えたが、今さら企画内容で何かできる状態ではない。そこで、プレゼントでお茶を濁しましょう。

 今回はいろいろなことを行っているので、豪華版(?)。プレゼントするものは3種類。
1.大同メタルの「燃料電池組み立てキット」 1つ
2.家庭でできる燃料電池手作りキット    5つ
3.燃料電池CD−ROM画像集       5つ

 ご希望の方は下記のメールに、希望するものの上記の番号、氏名、送り先、電話番号を明記して、メールして下さい。応募者多数の場合は抽選になります。このご案内はもう一度行います。
○締切 5月25日(土)
○メールアドレス info@pem-dream.com

◇PEM型燃料電池の組み立てキット販売を始めました。(再掲)

 燃料電池を知っていただくためには、実物にふれていただくのが一番。永らくそのための商品を探していたところ、大同メタル工業株式会社のご協力をいただいて、PEM型燃料電池の組み立てキットを提供できるようになりました。

 自動車や家庭用に開発されている固体高分子膜(PEM)型燃料電池の実物です。3セル構造で出力電圧2Vが可能で、単セル、2セル、3セルのそれぞれの発電量の違いなども実験できます。水素の供給はガス缶から行い、プッシュボタンをちょっと押すだけで発電します。効率よく供給すれば100回近く使えます。

 燃料電池の原理が分かり、組み立ての楽しみも味わえる(分解もできます)このキットは、子どもたちも組み立てられるので、ホビーとしても、教育用としてもお役に立てるでしょう。しかも、本格的な燃料電池としては世界一安い価格を設定できました。NPO特別価格として、1セット9500円(税、送料込み)です。どうぞ、ご利用下さい。

 お問い合わせ、お申し込みは、メールまたはFAXで。商品の画像はホームページでご覧下さい。
 ・メール info@pem-dream.com
 ・FAX 03-5408-3252
 ・URL http://www.pem-dream.com/goods.html

■PEM−DREAM NEWS
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◇5月12日「 レスター・ブラウン氏講演会&恵コ・ネットワーキングの会」裏方の記

 この日、関係者が活動を始めたのは昼すぎだった。むろん、それぞれでは家庭などで与えられた担当の準備をしている人もいたが、会場に向かって動き出したのはほとんどが昼過ぎだ。会場の場所は中央区新富、江戸時代には八丁堀として名を馳せた由緒ある地域だ。そこに、労働スクエア東京ホールがあった。

 会場に入れるのは、4時30分からだ。公営のところは時間に厳格だ。それ以前にできる準備は全てしておかないと、当然間に合わない。

 ということで、近くのホテルに3時に集まった。総勢30名弱。受付、会場、展示のグループに別れて細かい打ち合わせを行い、領収書などの準備を進める。

 一方、PEM−DREAMは、燃料電池の発電で映すビデオがまだ入手できていなかった。燃料電池手作りキットの準備に追われて、手が回らなかったのだ。そこで、事務局の者が秋葉原に走ることになった。「となりのトトロを買ってきてくれ」。地下鉄
で往復30分くらいしかかからないのに、1時間を過ぎても彼は戻ってこなかった。後から聞いたことであるが、秋葉原電気街の店頭からVHSビデオテープは消えていたとのことである。石丸電気のフロアの奥の方にほんの少しだけ並んでいるのを見つけるのに、彼は5つの大手電気店を回ったそうだ。皆、DVDに代わっていたのである。ビデオは個人レベルでは、レンタルとテレビの録画用の役割しか持たなくなってきているようだ。

 もうひとつ。世の中の変化の激しさを実感したことがあった。それは、前の日に、PEM−DREAMにボランティアで来てくれた大学生君の話だ。

 彼は昨年1年間、アフリカ大陸を縦断してきたそうだ。ボランティアで来てくれた時に、プレゼントに入れる鉛筆の芯が足りなかった。近所の文具店からはすでに、前日のうちに買い占めていて無いのはわかっているし、新橋では土曜日はそのような店は閉まっていることがほとんどだ。そこで、東京駅の丸善まで行ってもらうこととなった。幸い定期があったので(本当はいけないのだが、JR東日本様、ごめんなさい)渡した。ところが彼は、その使い方がわからなかった。Suicaだったからである。

 彼曰く、「俺がアフリカに行くときにはこんなのはなかったからなー。日本に帰ってきて電車に乗るときにいつも不思議に思っていたんだ。改札口を手でさわっていくだけで通っているんで、券はどうなっているんだろうって。これだったんですね」

 確かにSuicaが使われるようになってまだ1年経っていないし、彼がいない間に売り出されたからだ。彼は丸善でも芯が足りなかったためにかけずり回って、2時間ほど経ってから戻ってきた。

 話を戻そう。正直言って、みんな素人。環境英語のグループの人が多く、ほとんどの人が初対面だ。お互いの信頼と、この会を成功させようとする熱意が武器だ。イベントの立ち上げから中心だった橋本さんをリーダーにして、打ち合わせが進む。ところが進むにつれて不安も出てきた。現場を見た人からその状況が伝えられると、現場での時間の無さと使い勝手が思うようにいきそうにないことが分かってきたからだ。枝廣さんのメルマガと同じく、会のプログラムはぎっしりとつまっていた。

 会場担当となった私たち数名は、早めに会場へと向かった。会場に着くと、すでに参加者が来ていた。だが、会場のロビーにも入れない。まだ前の使用が終わらないからだ。まず解決を迫られたのは、どこでおみやげのセットと袋詰め作業を行うかだ。受付が済んだ人に渡すのだから、なるべく受付に近いところがいい。だが、受付は2階の階段ロビー(踊り場の大きいもの)の予定なので、そこはまだ使えない。多少の意見のやりとりがあったが、「こうしよう」という明確な判断はなかなかつかない。そうこうしているうちに、ホールから人が出てきた。これで始められるかな、と思いきや、階段には鎖がされてしまった。

 待って使えるようになってからでは間に合わない。もう、こうなったら決断しかない。おみやげの荷物を階段下に集め、袋詰めを開始した。たちまち10数人の方が参加して、「はいっ、これ」「次はこれっ」と声が飛び交い、しゃがみ込んでの作業が進められる。

 一方、会館の入り口付近にはそろそろ参加者が集まりだしてきた。若い男性が「事前に申し込んでお金も済んでいる人はここに、お金がまだの人はこっちに、今日初めてという人はその隣に」と声を張り上げている。10分経ち、15分経ってそちらを見るとかなりの人の列ができている。袋詰めはまだ半ばだ。「移動した方がいいんじゃないか」という意見もあったが、「ここで終わらせます」と決め込んで、「人が並びだしたから、急ぎましょう」とハッパをかける。

 ホテルで打ち合わせしていた本部隊が到着した。作業場と化した階段の脇を通って上に上がっていく。「ここの場所が要になっている。ここで人の流れを制御した方が良さそうだ」と独断を下した。お弁当や展示の関係者以外はすべてストップ。頼める男性には、出来上がったおみやげを2階に運んでもらった。汗を拭き拭き、体力勝負の時間が過ぎる。やがて、準備ができたとの連絡が来たので、並んだ人を誘導しつつ入場を開始した。 総勢500名近い参加者が入場し終わり、主催者挨拶が始まったのは予定より15分遅れの5時だった。

 淡々とした口調で話すレスター・ブラウン氏の講演は、枝廣さんのやや押さえ気味(普段はもっと早口だったと思う)の通訳を伴って会場に流れていったが、かなりの人は英語が分かるらしく、通訳を聞く前に笑いが起きる。こちらは張りつめた気分もすぐには解けず、話に集中できなかった。

 ということなので、会の内容については枝廣さんのメルマガに載るだろうから、それを転載させていただくことにしよう。彼女はまだレスター氏と講演旅行中なので後日になるが、ご期待下さい。

■イベント紹介
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●日本膜学会第24年会人工膜シンポジウム(新規)
○テーマ 「燃料電池高分子膜の最前線」
○内容  世話人 斎藤恭一(千葉大学工学部)
・固体高分子形燃料電池の概要           内田裕之(山梨大学工学部)
・フッ素系高分子電解質膜の開発動向        寺田一郎(旭硝子中央研究所)
・炭化水素系高分子電解質膜の可能性と問題点    陸川政弘(上智大学理工学部)
・高分子電解質膜設計のためのシステム的アプローチ 山口猛央(東京大学大学院工学系研究科)
○日 時 5月17日(金)午前9時40分〜午後零時20分
○会 場 日本科学未来館(東京都江東区青海2-41)
○参加費 必要ですので、お問い合わせ下さい。
○お問い合わせ・お申し込み  
日本膜学会 TEL/FAX 03-3815-2818
      E-mail membrane@mua.biglobe.ne.jp

      URL http://wwwsoc.nii.ac.jp/membrane/index.himl

●「燃料電池市民講座」(5月18日、6月8日)

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○燃料電池市民講座 http://www.pem-dream.com/citizen.html

○EVENT INFORMATION http://www.pem-dream.com/event.html

○燃料電池マイ・レポート http://pem-dream.com/report.html

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■世界のニュース〈5月)
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<輸送>
●ACトランジットが燃料電池バスを4台購入

 アラメダ=コントラ・コスタ・トランジット(ACトランジット)の理事会は満場一致で、新しい圧縮水素燃料電池バス4台をカリフォルニアの公共交通システム向けに採用することを決めた。ACトランジットはその内の3台を管理し、残りの1台は南カリフォルニアのサンライン・トランジットが使用する。これらのバスの契約価格は1台あたり310万ドルを予定しており、今月中にも契約が成立する予定だ。

●ホンダが燃料電池自動車の衝突実験を開始

 本田自動車は、自社のFCX−V5プロトタイプの前・後面の時速55kmでの衝突実験を開始した。その結果は今後に期待できるものであった。前面の衝突実験では、車内の高い安全性が守られることと、その時、高圧タンクからの水素漏出はまったく無かったことが確認された。ホンダは更なる厳しい衝突実験を続けるとしている。このFCX−V5は、5月に開始予定の公道実験のために、側面と前面のオフセット衝突実験という課題を残している。

<定置型電源>
●アビスタ・ラブスが米国陸軍技術部隊用に燃料電池を設置、アペリオンとの共同計画に調印

 アビスタ・ラブスは3kW級燃料電池を、ワシントン州スポケーンのガイガーフィールドにあるワシントン州空軍に設置した。この燃料電池は、米国陸軍技術部隊調査研究所(CERL)によって運営されている国防総省燃料電池実演プログラムのもとに設置された。このSR−72PEM型燃料電池は、産業用ボンベの水素を利用し、発電サービス地域に電力を供給する。

 また、アビスタ・ラブスはアペリオンとの共同雇用契約に調印し、モジュラーカートリッジ技術を用いた固体高分子膜(PEM)型燃料電池を利用した小型バックアップ電源装置の開発・販売を共同で行う。この合意のもとでアペリオンは今年、アビスタ・ラブスの「インディペンデンス1000」燃料電池を30基購入して一体化を図る。2003年から2004年にかけて両社によって共同開発されるシステムは、かなりの数になると見込まれる。

●スターウッドホテルがPPLとのFCシステムの契約に調印

 スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイド社はPPLコーポレーションとの契約に調印し、PPLの250kW級天然ガス燃料電池システム2基を、ニュージャージー州パーシパニーにあるシェラトン・パーシパニーホテルと、エディソンにあるシェラトン・エディソンホテル・ラリタン・センターにそれぞれ設置し利用する。

 PPLはさらに、フュエル・セル・エナジー(FCE)とも協定を結んだ。その内容は、PPLが2つのホテルに設置した燃料電池をFCEが運用して整備するというものだ。ニュージャージー・クリーン・エネルギー・プログラムは、クリーンで有用なエネルギー技術を推進する計画を実行しているとして、PPLにおよそ170万ドルの報奨金を授与する予定だ。

●サルツァーが3公共施設に燃料電池を販売

 サルツァー株式会社のサルツァー・へクシス部署はドイツで、114燃料電池システムの設置に関する流通契約を締結し、ドイツの電力会社3社はこのシステムを注文した。

<携帯電源>
●JPLは携帯型燃料電池技術を開発

 NASAのジェット推進研究所(JPL)の調査チームは、小型で薄い携帯型アプリケーション向け燃料電池を設計した。この燃料電池は、動力源に最新の軽量で単極の薄型パック技術を用いており、サイズはおよそ洋書の文庫(ペーパーバック)を横に2冊並べたほどである。これは送風機無しでも周囲の温度を効果的に利用し、従来のデザインとは異なるものとなっている。

<報告・市場調査>
●新しい生物資源研究の利用

 アメリカ北東地区生物資源プログラムはゼネルギー社と共同で、定置型燃料電池技術においてバイオ燃料の利用可能性に関する包括的研究を終えた。この研究結果は、北東地区生物資源プログラムのHPから無料でダウンロードできる。

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■燃料電池ワールド
 □毎週水曜日発行
 □編集・発行:燃料電池NPO法人PEM−DREAM 

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