ほんとに走りのときにね。
で、こんな、こんなすごいもの発明、開発されましたっていうことで、テレビで紹介されて。
そしたらその反響がすごく、はっ、その反響がすごく大きくって、そんで投書がいっぱい来たんだって。
あの、うちのだれだれを救ってくださいっていうさあ。
で、そん中の1通にその5歳の女の子の両親からの手紙があって、で、何かこの人を救いたいっていうふうに思って。
で、あれ初めての手術だったっけー。
初めてとは言ってなかったか。
でもとにかく開発したてのねレーザーメスでね、手術したんだって。
そんでさあ、その、何だっけ。
そんでさ、あれ、何だったっけ。
あの、あの、あのー、そうそうそうそう、その5歳の女の子はさあ、脳しゅようで、しかも悪性だったの。
悪性なんだけどー、だけど、手術大成功して、その子はあのー、治ったんだよね。
で、それから何十年、十何年して、その子が20歳になったときに成人式の写真を送って来たんだって。
こんなに元気になりましたっていうふうに。
すごい喜んでたの、うん、すごい喜んでいたのね、そのお医者さんは。
だからね、その人はそれまでもうね、数々の患者を救ってきたんだけどー、それで何となくこう原点に立ち戻ったっていうか。
すごいくやしかったって言ってたよね。
もうちょっと発見が早かったら自分が救えただろうにって。
会話コーパスを用いた会話システムの高度化研究目的のために使用している 名大会話コーパスのデータです。
藤村逸子・大曽美恵子・大島ディヴィッド義和、2011「会話コーパスの構築によるコミュニケーション研究」藤村逸子、滝沢直宏編『言語研究の技法:データの収集と分析』p. 43-72、ひつじ書房