第2次世界大戦欧州戦線における周辺領域の意味合い

マイケル・ケリガン=著, 石津 朋之=監訳, 餅井 雅大=訳: 第二次世界大戦秘録 幻の作戦・兵器 1939-45 (創元社, 2013) を参考に、戦場になり得た周辺領域がもっていた意味合いを書く:

・アイルランド・アイスランド: 英本土攻防

・スウェーデン: 鉄鉱石、油田
(スウェーデンは中立。他の北欧諸国は、ノルウェー: ドイツ占領下。フィンランド: ソ連と交戦《冬戦争(第1次ソ芬戦争)》)

アゾレス諸島(大西洋上): ドイツにとっての米攻撃中継点

カーボベルデ諸島 (アフリカ、セネガル沖): スエズ運河封鎖後のケープタウン航路支配

史実から言えば、上記は、戦場にはならなかった。ただし、英首相ウィンストン・チャーチルが間接的アプローチを志向したこともあり、周辺領域が戦場になった蓋然性はあると考えられる。

マイケル・ケリガン=著, 石津 朋之=監訳, 餅井 雅大=訳: 第二次世界大戦秘録 幻の作戦・兵器 1939-45 (創元社, 2013) p.15.

 イギリス、あるいは苦境にあったフランスが、人員と兵站という非常に大きな問題の解決策を見いだしたとしても、有事の際は常に周辺戦域と考えられてきた地域において、これほどまでに戦争努力を拡大することの正当性を与えることは困難であろう。チャーチルは戦後、自らの信奉する間接的アプローチに対するアメリカの態度に憤っていたことを明かしている。1942年、チャーチルは、ドイツに対する連合国のアプローチとして、フランス経由で直接叩くのではなく、ヨーロッパの「脆弱な下腹部」を突くことが賢明であると示唆していた。

思想的背景

寺島 実郎 : 読書人の部屋 産官学つなぐ都会の知的拠点. 日本経済新聞, 2013/ 2/ 3, 朝刊, 20面.

彼[:クーデンホーフ=カレルギー]の書いた『パン・ヨーロッパ』は今日のEU(欧州連合)につながる思想的背景となりました。

地図のゼンリンの話題から

2013/ 2/ 2放送の毎日放送「知っとこ」において、地図情報会社である株式会社ゼンリンの話題をしていた。

思ったこと:

(1) ゼンリンが多くの人手をかけて調べている情報(道幅、道路標識、建物の入り口方向など)を、行政は、各種届、申請書などの形で、以前から持っているはずだ。行政の情報力の凄さを感じた。また、それに匹敵しうる民間企業が存在することを感じた。

(2) 地図(カーナビ用地図)に含まれる情報量の多さは、地図が軍事情報であることを思い出させる。詳細で最新な地図があれば、その土地になじみがない人でも、迷いなく行動できる。これは、その土地の排他性を減らす。言い方を換えれば、外敵から守りにくくし、それと同時に、多くの人と交流しやすくし発展できるようにする。

地図情報の不特定多数による共有は、地図情報の秘匿以外の手段によって、外敵からその地域を適切に守った上において、社会的に受入れられる。地図情報の秘匿以外の手段とは、例えば、以下があるだろう:

 ・経済的な豊かさが行き渡ることによる、外敵の減少

 ・警察力の適切な稼働 (人間への最小限の干渉による、外敵の最大限の検出) 例えば、武器の所持規制及びその取り締まりによる、人を理由にしない外敵の検出・除去。

 ・入国審査の適切な徹底 (人間への最小限の干渉による、外敵の最大限の検出)

新たな切り口を提供する

2013/ 1/25 放送の、フジテレビ「アイアンシェフ」における、アイアンシェフ脇屋友詞による料理「牛タンとミモレットチーズのミルフィーユ」の試食の際の審査員コメント:

 松山ケンイチ: 食べたらやっぱり、ガツンとくるんですけれど、やっぱりその、どれも、なんかこう、突き刺さるものがない、というか。

 マッキー牧元: 味が、こう、角が丸いんですね。… バランスがいいですね。

 江崎 美惠子: ひとつのハーモニーでしょうね。

新たな切り口を提供する松山ケンイチのようなコメントをできる人間になりたい。

Wikipedia「清教徒革命」まとめ

清教徒革命 – Wikipedia [2012年12月31日 (月) 06:37‎ の版]を読んだまとめ:

・すさんだ貧困は急進を呼ぶ。※
・増税は議会が決める。
・議会は自殺するが、軍は自殺しない。
・議会が存在しない時には、執政者が必ず存在しなくてはならない。
・短時間に実現可能な手段は、大ナタすぎて、味方を敵にする。

 ※そして、急進は、政治の周波数バンドに比して、高周波すぎる。

書道の基本戦術

・重要な意味を持たない字は小さく書く。縦書きにおいては、垂直方向を潰して、字単独では横長に書く。画数が少ないひらがな・カタカナも、縦書きにおいては、垂直方向を潰して、字単独では横長に書く。

・右下に向かう最終画は、のびのびと書く。

・「夂」の左下に向かう2画は、異なるように書く。

・「口」の右下の角を、下に突き出すか、右に突き出すかを考える。「口」の下線が、その字の最終画の場合は下に突き出す。そうでない場合には、右に突き出す。

筆順

筆順(書き順)が反射的に分かっていることは、字の全体が明確に分かっていることと同義である。

そして、字の全体が明確に分かってこそ、字は美しく書ける。加えて、字に趣向をこらし、表現ができる。

そして、筆順は流れであり、動的な情報である。例えば、(極端に)崩した字を解する時に筆順の知識は有効である。

文化基盤としてのAKB48

AKB48ならびに姉妹グループは、主として秋元康氏と総勢数百人のメンバーによってなし得た「文化『基盤』」である。

文化基盤たる理由は、ファティック(phatic)の話題として適しているからである。

ファティックとは、「どうでもいいような会話をつづけながら、人と人をつなぎ合わせる行為のことである。言語技術が家屋だとしたら、ファティックは土台のような位置になる。土台があれば、その延長のふるまいとして質問できる。」―― 猪瀬 直樹 : 言葉の力 – 「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ, 2011) p.80.

その総勢数百人というメンバー数は、ファンの流動性を高め、さらにファンの参入・脱退を容易にしている。その結果、AKB48ならびに姉妹グループの話題は、摩擦を生じさせにくく、ファティックの話題になり、そして、人と人を結ぶのである。

「巨神兵東京に現わる 劇場版」鑑賞メモ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と同時上映された「巨神兵東京に現わる 劇場版」を 2012年11月18日に見てきました。

巨神兵が放つビームの密度に、大東亜戦争における都市爆撃(焼夷弾絨毯爆撃)の姿を見た。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』/『巨神兵東京に現わる 劇場版』 劇場用パンフレット p.V.

創造の神は七日間でこの世界を創ったらしい。
僕たちだってこの世にいろんなものを作ってきた。
こんなふうに一瞬にしていろいろ壊されてくように見えるけど、
たぶん壊すほうだって同じくらい時間がかかるに違いない。
炎が世界を壊すのに七日間かかるなら、それだけ逃げるチャンスもある。
逃げろ。生き延びろ。新しい世界を自分で創ればいいんだ。

小学生のときの国語の教科書に載っていた、宮大工による「樹齢○○年の木で作った建物は、○○年もつ」という話を思い出した。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」鑑賞メモ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を 2012年11月18日に見てきました。

結論

知を集めよ。

自分以外にもう一人ではダメだ。もっと多くの人の知を集めよ。

その他

「コネメガネ、援護!」…「仰せのとおりに、お姫様!」

二重反転フライホイールに萌えた。

マヤちゃんの、口が悪くなっている。

敵の動きが立体的だと、敵は本気。

パロディーいっぱい。「ナディア」がいっぱい (ネモ船長がいる)。

「エヴァ」は聖書や精神分析学の言葉を多用し、映像手法でも過去の映画などからの「引用」が数多く指摘された。しかし、庵野監督は「これだけ情報があふれている時代に、オリジナルなんてどこにあるのか。様々なものからイメージをとりこんで、それをどこまで広げて再構築するか、なんですよ」  ( 朝日新聞 1997/ 7/24 夕刊 より)

アスカが実に頼みになる。TVアニメ版のような精神崩壊をしていなくて、大いに安心。

冬月: 世界を壊すことは造作もないが、再構成することは困難だ。世界は不可逆なものだから。

それを槍2本で成し遂げようとしたのが、カヲルとシンジだった。