G.S.アルトシューラーの論文「発明的創造の心理学について」
http://www.hj.sanno.ac.jp/cgi-bin/WebObjects/107c2074456.woa/wa/read/c1_10db020d43d/
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以下、TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.51 より引用。
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-62.html
http://www.techno-producer.com/
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■「発明的創造の心理学について」〜その3
今回からしばらく、G.S.アルトシューラーの論文「発明的創造の
心理学について」を取り上げて、「発明」について考えてみたい。
なお、日本語訳が、
http://www.hj.sanno.ac.jp/cgi-bin/WebObjects/107c2074456.woa/wa/read/c1_10db020d43d/
産業能率大学 総合研究所 HP
よりダウンロード出来ますので、ぜひご参照ください。
彼は、本論文のP7以降で「分析」について特に詳しく取り上げている。
分析だけで、なんと4ステップに分けて文面を割いている。
後半に、「分析スキルの恒常的訓練が必要」とも書かれており、彼がいかに分析を重視
していたかがわかる。
以下彼の言葉を引用すると、まず第一段階では、
「発明者の課題は、たまたま視野に入ってきたテーマを機械的に選択することではなく、
対象とするシステムの発展のダイナミックスを創造的に研究し、そのシステムの全般的発展に
対するブレーキとなっている、現段階における決定的な問題を発見することにある。」
としており、「ボトルネック」の発見がまず第一段階の重要な作業であるとしている。
彼によれば、ボトルネックを解消することで、他の構成要素の余力を活用することが出来、
より効果があがる、ということになる。
この発想は、技術だけでなく、様々な場面で重要な考え方である。
次回以降も、引き続きアルトシューラー論文を読んでいきたい。
以下、TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.53 より引用。
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-64.html
http://www.techno-producer.com/
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■「発明的創造の心理学について」〜その4
今回も、G.S.アルトシューラーの論文「発明的創造の心理学について」を
取り上げて、「発明」について考えてみたい。
なお、日本語訳が、
http://www.hj.sanno.ac.jp/cgi-bin/WebObjects/107c2074456.woa/wa/read/c1_10db020d43d/
産業能率大学 総合研究所 HP
よりダウンロード出来ますので、ぜひご参照ください。
アルトシューラーが最も力を入れて記載している「分析」。その第2段階目は、
課題の最重点の発見だ、としている。求められる技術的アウトプットに対して、
どの特性(要素)を改善することが必要なのか、それを考えることである。
ここで取り上げられているのは、ワットの蒸気機関。ワットは、蒸気機関の
改善において、シリンダーの改善を通じて総合熱効率を向上させる、という
課題設定を行った。
そしてその後さらに「汎用化」を課題として設定し、そのために、往復運動を
回転運動に変換する機構の開発を行った。
このように、分析のステップでは、「ボトルネックの発掘」(その3を参照下さい)
から始まり、課題や要素をロジカルにブレークダウンしていく作業が求められる。
以下、TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.55 より引用。
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-67.html
http://www.techno-producer.com/
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■「発明的創造の心理学について」〜その5
今回も、G.S.アルトシューラーの論文「発明的創造の心理学について」を
取り上げて、「発明」について考えてみたい。
なお、日本語訳が、
http://www.hj.sanno.ac.jp/cgi-bin/WebObjects/107c2074456.woa/wa/read/c1_10db020d43d/
産業能率大学 総合研究所 HP
よりダウンロード出来ますので、ぜひご参照ください。
アルトシューラーが最も力を入れて記載している「分析」。今日はその第3段階目。
以下引用。
「課題の特定およびその最重点の発見は、技術的創造の過程の(第一段階である)分
析段階の前半をなすにすぎない。課題を既知の手段によって解決しようとすると、求
める効果を得ることを妨げる矛盾が発生する。こうして、決定的な矛盾を発見するこ
とが分析段階の第3 ステップとなる。」
アルトシューラーは、この「矛盾の発掘」こそが分析の最重点だと述べている。
最重点があぶり出されたら「シメた」ものである。
以下のような例を挙げて説明している。
「検査の精度を向上させるためには出来るだけ多数の目盛点で検査を行う必要があるが、
これを行うと検査に要する時間が長くなり、検査係の労働生産性が低下してしまう。
精度の面で改善しようとすれば、検査速度の面で改悪することになってしまう訳である。」
よくある話である。人手を掛ければ精度は上がるが、その分コストもかかる。こういった
例は枚挙にいとまがない。
続く章で、これを新たな次元で解決することが「発明」であるとしている。
お気づきの方もおられよう、つまり「弁証法」的な思考法が求められるのである。
以下、TechnoProducer ビジネスに「効く」知財 Vol.67 より引用。
http://technoproducer.blog84.fc2.com/blog-entry-79.html
http://www.techno-producer.com/
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★「発明的創造の心理学について」〜その8
今回も、G.S.アルトシューラーの論文「発明的創造の心理学について」を
取り上げて、「発明」について考えてみたい。
なお、日本語訳が、
http://www.hj.sanno.ac.jp/cgi-bin/WebObjects/107c2074456.woa/wa/read/c1_10db020d43d/
産業能率大学 総合研究所 HP
よりダウンロード出来ますので、ぜひご参照ください。
前回から「思考実験」、彼曰く「操作段階」の部分を取り上げている。(私はこれを
個人的に「コンセプトメイク」と呼んでいる)
前回取り上げたのは「典型的解決法(原型)の研究」が効果を発揮するということであった。
今回は「原型の研究」が解決法につながらなかった場合の、解の探究方法について言及する。
アルトシューラー曰く
「自然や既存技術に存在する原型の研究が好結果につながらない場合には、操作段階
の次のステップである(原型の無い)新たな方法の探求に移行する。」
としている。
具体的には、
・システム内部の変更
・外部環境の変更
・隣接する部分の変更
に分けられる。
具体的な事例として、たとえば「システム内部の変更」については、コール(石炭)カッターの
長さの変更、「外部環境の変更」については、コンクリートの気泡除去のための「真空攪拌」
「隣接する部分の変更」については、映画撮影における照明の交流から直流への変更が、それぞれ
挙げられている。
最後に、この「操作段階」について彼はこう書いている。
「技術的創造のプロセスの分析段階では、ほとんど常に単一の答えが得られるが、操作段階では
そのようなことはない。一つの技術的矛盾は、相異なる様々な方法で除去され得るからである。
それ故、操作段階においては、実験は副次的役割ではなくて中心的役割を演じるようになる。
実験があれこれの方法、手法、スキーム等の中から最適のものを選択するための判定基準となる
場合が多い。」
つまり、先述のとおり、まさに「思考実験」が重要なのである。こうすればどうか、ああすればどうか、
その過程こそが発明なのである。
さらに彼はこう続けている。
「操作段階を成功裏に遂行する上で不可欠な資質は、自然に関する豊かな知識、観察力、隣接技術分野に
関する知見、実験技法を駆使し得る能力である。」
様々な角度から「思考実験」を行うための知識と能力、それが発明の源泉であり「発明力」とも呼べる
ものの正体なのである。
「発明力」は、繰り返し思考実験を行い、その検証の過程で様々な事柄について調べることで、鍛える
ことができる、と我々は考えている。
© TAKAGI-1