シンギュラリティを見据えて、人間は技術を持たねばならない
記事ページ 発行: 2016年03月27日
児玉 哲彦 氏=著の「人工知能は私たちを滅ぼすのか」を読了しました(2016/ 3/27)。
人工知能が人類の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)について、思索したこと:
人間の能力を超えた存在との共存は、これまでも大きな課題であった。
国家と国民の関係がそうであるし、企業と市民の関係がそうであった。
SFアニメの世界で言えば、「機動戦士ガンダム」がそうである。
ファースト「ガンダム」に連なる世界(宇宙世紀作品)では、宇宙で生まれ育った“スペースノイド”のなかに“ニュータイプ”が生まれた。そして、“スペースノイド”と地球に住まう“オールドタイプ”が対立している。
「ガンダムSEED」シリーズ(コズミック・イラ作品)では、遺伝子操作をうけて人間の能力を超えた人間“コーディネーター”とそうでない人間“ナチュラル”が対立している。
“スペースノイド”/“コーディネーター”は、“オールドタイプ”/“ナチュラル”に抑圧されており、戦争が起こる。前者のほうが、能力は高いが、個体数が少ないため、前者は戦争前には抑圧され、戦争になっても勝敗は簡単には決しない。
国家と国民の関係や、企業と市民の関係もそうである。前者のほうが、能力が高いが、構成する個体数が少ない。
故に、基本的には、安定である。
「ガンダム」作品では、前者陣営が“モビルスーツ”を先行して戦力化することにより、安定が崩されていた。また、国家と国民の関係や、企業と市民の関係には、長年 注意が払われ、社会システムが構築されてきた。
私の“超民連絡”の思想* は、安定系を前提に生まれた。
* 社会が天才・秀才ばかりである必要はないが、天才・秀才が生き・活きる社会であるべきである。
そのために、天才・秀才の思考(の一端)が共有されるべきである。それは、天才・秀才と一般能力者との架け橋になり(天才・秀才を得体の知れない者にしない)、且つ社会に天才・秀才を補給する後方連絡線となる。これによって、天才・秀才は孤立せず、消耗されない。
――天才・秀才が生き・活きる社会
しかし、人工知能によるシンギュラリティは、人工知能が工業生産の恩恵を受け、人工知能の個体数は無限大になり得るため、不安定系である。
不安定系においては、安定系と同様に、いや、安定系に増して、(一般の人|人間)は技術を持たねばならない。
目的は、
・人工知能と人類の闘争を、人類が生き抜き、
・また人工知能に人類との共存のメリットを認識させ、ヘーゲルの弁証法における「合」の世界を実現するために
である。
「ガンダム00」シリーズでは、劇場版にて地球外生命体“ELS(エルス)”と人類の戦争が繰り広げられたが、ガンダム陣営の武力介入によって歪さが解消され、技術を飛躍的に進歩させた人類とガンダム陣営は共同して、“ELS”中核に達し、高い技術によるコミュニケーションを実施し、最終的に人類と“ELS”は共存するに至った。
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